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ついに千明(小泉今日子)が動き出した!背中を押したのは典子(飯島直子)だと思う。【続・続・最後から二番目の恋】第2話レビュー

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柚野木

小泉今日子×中井貴一の大ヒットシリーズ「続・続・最後から二番目の恋」の放送が4月14日からスタート! 11年の時を経て、吉野千明と長倉和平の関係はどう変わった? そして変わらないものとは? 第2話のレビューをお届けします。
※ネタバレにご注意ください

▼第1話はこちら▼

ついにスタート!!【続・続・最後から二番目の恋】千明と和平のつながりの確かさを教えてくれたコロナ禍の描写にほっこり!第1話レビュー

「まだ若いんだから」と、なんと12回も言われたものだから

ついに千明(小泉今日子)が動き出した。
「エントリーします」 それはドラマ企画へのチャレンジ宣言だった。

前回の第1話では、千明は会社員としては「店じまい」に向かっていくのか?と思わせる発言が続き、どこか自信のなさも見え隠れして、本来の千明らしくない感じが気になっていた。

それが一転、第2話では、もやもやしていたことがクリアになって、「定年も、還暦も、老後も、来たいなら来ればいいじゃん。来るなら来いやー」と強気な発言が飛び出した。おまけに定年目前のいま、自分の歴史を塗り替えるようなすごいドラマを作りたいという野望まで抱き始めたのだ。

千明がここまでパワーアップしてきた一つのきっかけとなったのが、三浦友和演じる医者、成瀬千次の「あなたはまだ若いんだから」という言葉だった。

この成瀬とは、診察室を出てからも交流する機会があるのだが、会話のなかで検査を促すときにも、プレッシャーをかけるのではなく「走り続けるためには、たまにはピットインしないとね」と、言葉のセンスも悪くない。

しかも、こちらにちょっと気がありそうな気配すらある。そんな人から「まだ若いんだから」と(なんと12回も!)言われたものだから、ほめられたような、自分を肯定されたような気持ちが強くなり「自分にももう一回何かできるかもしれない」という力がふつふつと湧きあがってきた。

それからもう一つ、チャレンジに向かう大きな原動力となったのが「怒り」だった。

先日から社内(テレビ局)のあちらこちらに「月9の企画募集」のチラシが貼り出されていて、そこには歴代の大ヒット作10作品が挙がっている。そのリストのなかに、自分の作品が入ってない。この現実をつきつけられ、くやしさとともに「年甲斐もなく、ぶっ放してやろうかな」という思いがこみ上げてきた。

そこで、勇気を出して、職場のチームのメンバーに「助けてほしいんです」と語り出す。遅いけれど、これから最高傑作となるドラマの企画を出したいと言い、怒りとともに野望を抱くに至った経緯をつつみ隠さず話した。

すると彼女の長年の仕事のパートナーであり、理解者である三井さん(久保田磨希)や万理子(内田有紀) は、千明が怒っているのはいい方向に向かう兆候と理解し、チームのメンバーも挑戦に賛成し、その場の空気が盛り上がっていく。

そこから千明は、企画自体がしっかり固まっていないことを告げ、みんなの話を聞かせてほしいと言うのだが、そこから、若い世代のスタッフの話をいとおしそうに聞き入る千明からは充実感が伝わってくる。

「無理できてる自分がうれしい」(和平)という一言がしみる

さて、この日、千明がこのように「エイヤッ」と行動に移すにあたって、最後の一押しをしたのは実はこの人物ではなかっただろうか。それは典子(飯島直子)だ。

このところ、さえない日々を送っていて、何をするのもおっくうに感じていた典子が、昨晩、近所のコンビニで雑誌のモデル(女優?)にスカウトされたことで、一気にスイッチが入った様子だ。誘い文句の「もったいないですよ」にピンときた典子。「湯けむり美人」として、このナイスバディを無駄にしない手はないと考えて、やろうと決めた!と朝食の場で家族に宣言する。

スカウトと言っても、あやしい誘いの可能性も十分にあるわけで、そんなことを深く考えずに大胆行動に出ようとする典子のことが、家族も千明も心配でたまらない。幸い、マスコミ業界にいる千明はこういった方面に詳しいので、名刺を渡してきた人物をまず自分が確認してから動くようにと説得するのだが、その一方で「わたしのセカンドライフはセクシー系」と豪語する典子に対して、心がざわついてしまうのだった。

通勤途中で「あいつ、セカンドライフ始めるんだな。私より先に」と、なぜか負けた気がしたことを、和平(中井貴一)と万理子に伝える。千明と典子はそれぞれ違う人生を歩んでいるものの、どこか深いところで通じ合うものを感じていて、同世代としても意識し合う存在であることはこれまでの物語のなかでも描かれてきている。その典子の決意に「やられた」と千明は思ったのだ。このことが大きな刺激になっていても不思議ではない。

千明は大きな決断をしたその日の晩、やはり和平に話しておきたいと思い、飲みに誘い出す。そこでは和平からの近況報告もあり、彼は観光課における難題を抱えることになり困りつつも、そのことがちょっとうれしく、背筋が伸びるような感覚もあると語る。

和平もまた、まだまだ仕事への情熱を失っていない。その和平の思いは、家族との会話のなかで出てくる「無理できてる自分がうれしい」という一言にもあらわれている。千明にしても、和平にしても、仕事に情熱を注ぐことが大好きで、そこを認め合っている二人だからこそ、ここでの会話はどんどん弾んでいく。

そして和平の話を聞いてみると、身に迫っていることは、どうやら仕事の困りごとだけではなさそうだ。聞けば、鎌倉市長の伊佐山良子(柴田理恵)と、鎌倉市観光協会にスタッフとして加わった早田律子(石田ひかり)という二人の「未亡人」との間に、ただならぬ何かが待ち受けているような気配。彼女たちの言動を手掛かりに二人であれこれと想像するにつけ、彼の不安はつのっていくのだった……。

最後に少しだけ。
このシリーズ、キョンキョンは当然ながら、実は中井貴一もとってもおしゃれさんで、そこも注目していきたいと思っている。千明の衣装やメイクについては今回、ちょっと「うーん」な気がしている。今後もグレーヘアでいくのか。そこは無理にしなくても……と思ったりするが、どうなんだろうか。これから仕事モードに入っていく中で、たぶん、千明のファッションがもう少し攻める方向でいくんじゃないかと予想している。そうであってほしい。

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