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佐久間殿(上川周作)のうっかり発言「書けよ!」が、ここまで役立つことになるとは!「続・続・最後から二番目の恋」9話レビュー

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柚野木

世の中、何が起こるかわからない

さて、今か今かと待ちあぐねていたチーム吉野千明の月9企画書だが、ついに今回、ぐぐっと前進した。万理子(内田有紀)と千明の手紙のやりとりを経て草案が固まり、そこから二人の往復書簡によって肉付けをして、さらにチームのメンバーの意見を反映し、ついに企画書完成までこぎつけた。

ここまでの回でドラマの企画が生まれるその前段の「産みの苦しみ」の部分をじっくりと見てきたわけだが、まさか、あの佐久間殿(上川周作)の、うっかり発言「書けよ!」が、ここまで役に立つことになるとは……(彼の、朝ドラ『虎に翼』での「俺には分かる!」と連呼していたお兄ちゃんの姿も忘れがたい)。早田律子(石田ひかり)の個人的エピソードが人気シリーズ『サレ妻同盟』のエッセンスとなる日がきたり、世の中、何が起こるかわからない。

今回、千明と万理子の手紙のやりとりのなかで、「出会ってくれてありがとう」という言葉が出てくるが、それに加えて、今さらながら、千明には「鎌倉に引っ越してくれてありがとう」と言いたい。もちろん、長倉家のみんなとの出会いは引っ越しなくしては実現しないわけだが、それだけではなく、この作品は鎌倉の風景そのものが重要なキャストの役割を担っていて、物語に独特のニュアンスを添えているからだ。

ここはひとつ、勝手な憶測なしで……

この第9話、万理子と真平(坂口憲二)の大平山でのキャンプのシーンはどこを切り取っても絵になる。海が一望できる場所でコーヒーを飲みながら心温まる会話が繰り広げられるが、この場所で語られることで感動も増してくる。毎回登場する海辺の風景、江ノ電、極楽寺の駅舎、そして今シーズンは成瀬(三浦友和)の行きつけのお蕎麦屋さんという重要なスポットも加わって、鎌倉の風景が、心おどる場面を盛り上げてくれている。

そんなわけで、このドラマを楽しみにしていると、鎌倉愛も着実に育っていて、この景色が見られるのがあとわずかと思うと、さびしさがこみ上げてくる。

そして、千明の月9企画案が通るのか、もしも実現したら鎌倉がロケ地になる? いや、その前に、鎌倉の大人たちの恋模様も少しは見たい。典子(飯島直子)の雑誌連載は本当に実現するのか……と、あれもこれも気にはなってくるが、ここはひとつ、勝手な憶測なしでおとなしく次回を待つとしよう。

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