「ひとりぼっち」の年末年始も怖くない。禅僧・枡野俊明さんが教える「禅」と心の拠り所の作り方
ひとりだから楽しめる年末年始の過ごし方も
12月や1月になると孤独を感じる、ということですが、ふさぎこんでいてはもったいないと思います。自分の心と「同行二人」で出かけましょう。
この季節はイベントも多いので、気になるものをのぞいてみるといいですね。イルミネーションを見に行ったり、年末年始の街の風景を眺めたりしてみませんか。コロナ禍が明け、除夜の鐘撞きを一般に開放しているお寺もあります。順番待ちの長い列に並ぶのも、ひとりだからこそ気軽にできるかもしれません。
逆に、「何もしない」と決めるのもよい選択だと思います。私たちの日々は、常にやるべきことに追われています。世間があわただしく動いているこの時期に、あえて何もしない。やるべきことから解放されて過ごすのです。「世の中は大変そうだけど、私たちは自由だね」と、心に語りかけながらのんびり過ごすのはいかがでしょうか。新年を迎えたら、ぜひとも初詣にお出かけください。身体健全の御祈祷をしてもらうのもいいと思います。
日本に住んでいれば、たいていの場所に寺や神社があります。頻繁に催しをしている寺社もあるでしょう。年齢を重ねて遠くまで出かけられなくなっても、身近な場所で心を清め、祈りをささげることはできるのです。
今年もまた新しい年を迎えることができたことへの感謝をこめて、参拝しましょう。清らかな心とともに。
アドバイスいただいたのは
枡野俊明さん
曹洞宗徳雄山 建功寺住職
1953年神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山 建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。「禅の庭」を通して国内外から高く評価され、2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に。『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)など著書多数。
取材・文/神 素子
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