【耳の老化チェック】1つでも当てはまれば耳のトラブルに発展する可能性あり!?
なぜ、年をとると「聞こえ」が悪くなるの?
耳は使うほどに消耗するといわれており、加齢でだんだん聞こえが悪くなるのは自然なことです。そのメカニズムを説明します。
加齢性難聴はゆっくりと進行する
「聞こえは20代をピークに、少しずつ機能が落ちていきます」と木村さんは説明する。音は外耳から鼓膜に届き、耳小骨を通って内耳の蝸牛(かぎゅう)にある有毛細胞に伝わる。ここで音の振動が電気信号に変換され、さらに脳へと伝わるが、この有毛細胞は一度傷つくと再生しない。また、年齢とともにだんだん数が減り、加齢性難聴の原因となる。
加齢性難聴の進行はゆっくりで、自覚が遅れやすいのが難点。「少し聞き返しが増えた」などの段階で耳鼻科を受診し、検査を受けることが大切だ。
【Point】「聞こえ」を守るために、やってはいけないこと
鼻うがい
かぜなどの対策としての鼻うがいは避けたほうが無難。耳に水が入って滲出(しんしゅつ)性中耳炎になり、聞こえが悪くなる可能性も。粘膜の表面を傷める原因になる他、器具を不衛生なまま使っているとカビなどが体内に入り込むリスクもある。
大きな音でテレビやラジオを楽しむ
日常的に大きな音にさらされると、耳に多大な負担がかかる「騒音曝露(ばくろ)」の状態になるので避けるべき。テレビやラジオは小さい音から始め、聞こえなければ音量を1段階ずつ上げるなど、意識的に音を小さくすること。
鼻炎を治療せず放置する
耳と鼻はつながっているため、鼻が悪いと聞こえも悪くなりやすい。鼻炎を治さずにいると難聴の進行が早まるので、耳鼻科で治療を受けることが大切。鼻炎は口呼吸になりやすく、のどが細菌に感染して肺炎に発展するリスクも高くなるため注意を。
毎日の耳そうじ
気になるからと毎日耳そうじをするのはNG。やりすぎると外耳炎になり、皮膚がめくれて耳だれが出たり、腫れて難聴を引き起こしたりすることも。週に1回、お風呂上がりに耳の入り口から1センチほどの範囲を綿棒で軽くそうじする程度に。
長時間イヤホンを使用する
イヤホンは長く装着していると外耳炎になることも。悪化するとかゆみや耳の痛み、腫れや難聴などの症状が現れる外耳道真菌症になる可能性がある。長時間の使用は避け、できればイヤホンではなくヘッドホンを使用するのがおすすめ。
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イラスト/あらいのりこ
取材・文/武田純子
※この記事は「ゆうゆう」2025年12月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
