「フレイルって何?」から始める!【中尾ミエさん流】毎朝の運動習慣で健康寿命を延ばす方法
公園や自宅での毎日の運動習慣、仲間たちと笑い合う一日の始まり、同世代に勇気を与えるライブや舞台……。これらはミエさんが長く続けてきたこと。「フレイルって何?」と言うミエさん、実は無意識にフレイル対策できていた!?
健康でいたいと思うなら自分が行動するしかない!
今月の特集テーマは「フレイル予防」だとか。健康寿命を延ばすために対策しましょう、といったところでしょうか。もちろん、その考え方自体はとても大切なことだと思います。ただ、私は少し違う角度からこの問題を考えます。
たとえば、私は何年も前から毎朝、公園で仲間たちと運動を続けています。きっかけは飼っていた犬の散歩。ただ散歩するだけではもったいないから、同時に自分の運動も始めました。そうしたら、犬の周りに自然と人が集まり、いつの間にかみんなで輪になって運動するように。愛犬は亡くなりましたが、私はその後も運動を続け、今では20人ほどの仲間がいます。
ひとりでは面倒に感じてしまうことも、続ければ体に変化が表れるし、何より楽しい仲間がいる。それが原動力になっています。
そして、私たちのコミュニティはただ運動するだけではありません。「今度どこか遊びに行きましょう」と出かける計画を立てたり、誰かが編んでくれたおそろいの帽子をみんなでかぶったり。私がライブや舞台をやるときは、「おしゃれして観に来てね」と声をかけると、みんな何日も前からワクワクしながら準備してくれます。
そんなふうに日常の中に楽しみがあることで、生活そのものが豊かになり、行動範囲も広がっていく――。これって、まさに「フレイル予防」じゃない⁉
ひとり暮らしの高齢者が増えるこれからの時代、こうしたコミュニティの存在はとても重要だと思うんです。家にずっといたら、一日中誰とも話さない、なんてこともあり得ますから。でも、毎朝そこに行けば必ず誰かがいて、馬鹿話をして大笑いできる。そんな場所や時間があれば、その日一日を活動的に過ごすことができます。
そもそも「フレイルを予防しましょう!」と声高に叫んだところで、本人がその気にならなければ何の意味もありません。いつまでも健康でいたいと思うなら、自分がやるしかないんです。
人間は生きている限り誰かの役に立ちたい
最後まで自分の足で歩き、何かしらの生きがいをもって元気に生きる。それは、やろうと思えば実現できることだと私は信じています。ただし、そのためには社会の意識を変える必要があります。
今の世の中、高齢者に媚びすぎていないでしょうか。「年をとったから、もう何もしなくていいですよ」って。老人ホームでもシニア向け住宅でも、施設から一歩も出なくても快適に暮らせます。でも、本当にそれがいいのかしら?人間は誰もが「自分は役に立っている」と感じることがいちばんうれしいはず。生きている限り、誰かの役に立ちたいんです。その喜びを取り上げちゃダメ。「何もしなくていい」より、「これもできる、あれもやれる」と提案してくれるほうがいいと思います。
たとえば、公園の花壇の手入れをお願いするとか。お花が好きな方は多いので、「おかげで公園がきれいになりました」と感謝されれば、それは立派な生きがいになります。毎日水をやり、枯れた花を摘む。そうした日々の役割が、心と体に張りを与えてくれます。
それから、高齢者が無料で運動できる施設もつくってほしいですね。専門のトレーナーがいて、いつでも気軽に立ち寄れる公園。ぶら下がるための鉄棒だけでも、高齢者にとっては素晴らしい運動器具になる。そうした設備を増やしてほしいと心から願っています。
極端なことを言えば、「老人ホームなんていらない」というくらいになるのが理想です。高齢者を特別扱いするのではなく、ひとりの人間として、その人がもつ力を社会の中で生かせるような環境をつくっていくこと。高齢者が生きがいを感じながら、仲間とともに楽しく過ごせる場を提供すること。そういうことに、もっと知恵を絞るべきではないでしょうか。
【PROFILE】なかお・みえ●1946年、福岡県生まれ。62年「可愛いベイビー」でデビュー。歌手だけでなく俳優としても映画や舞台などに多数出演し、バラエティ番組でも幅広く活躍。著書に『60 代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(和田秀樹さんとの共著/宝島社)など。
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取材・文/本木頼子
※この記事は「ゆうゆう」2026年5月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
