石井ふく子さん生誕百年記念舞台に出演する【高島礼子さん】「お元気な石井先生の前では60歳なんてまだ子どもです」
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志賀佳織
最近は、バラエティ番組やクイズ番組、雑誌での対談連載など新たなジャンルにも意欲的に挑戦している俳優の高島礼子さん。実は本格的に舞台の仕事を始めたのも50歳を過ぎてから。演出家の石井ふく子さんとの出会いが大きかったと言います。このたび5月に、その石井さんの生誕百年を記念する作品『明日の幸福』に出演。舞台にかける思い、ヴィヴィッドに日々を楽しむプライベートライフについても聞きました。
三世代で楽しんでもらいたい舞台
50歳になる頃に舞台『女たちの忠臣蔵』出演してから、高島さんはこれまで、『春日局』『女の家』など、多くの石井ふく子演出作品に参加してきた。昨年は、石井さんの白寿を記念した公演『かたき同志』に藤山直美さんとダブル主演。そして今回はまた、石井さん生誕百年を記念する公演『明日の幸福』に出演が決まった。今も演出家として現役を貫く石井さんのバイタリティにも驚くが、そのベテランの石井さんに、これだけ厚い信頼を寄せられる高島さんもすごい。今回の公演は、2019年以来7年ぶりの新派と松竹新喜劇の合同喜劇公演。松竹新喜劇の『お種と仙太郎』と新派の『明日の幸福』の2本立てで上演される。
「2年連続呼んでいただくのは初めてなので、うれしいです。しかも去年の白寿の記念公演と、今回の生誕百年の記念公演、おめでたい公演に2回も出演させていただけて、とても光栄に思っています。先生には以前『私、もう50歳なので』とつい言ってしまったときに、『あなたはまだ、“これから”50歳を迎えるんでしょう?』と言っていただいて背筋がシャキッと伸びたことがありました。これだけお元気に頑張っていらっしゃる先生の前では60歳なんてまだ子どもですから、おこがましいことを申しました、という心持ちになりますよね」
『明日の幸福』は、初演が1954(昭和29)年。描かれるのは、これから高度経済成長期に入っていこうとする、まだそれほど核家族化も進んでいない、ある意味、古きよき「昭和」の時代だ。「古きよき」の一方では、一家の「家長」が絶大な権力を誇るという前時代的な慣習も厳然とあり、三世代が同居して、いわゆる嫁姑問題もある。高島さんは、家長として絶対権力を握る政界の大物である舅とその妻である姑に仕えつつ、家庭裁判所所長の夫の妻として、また新婚の息子夫婦の母として、姑として、一家を切り盛りしていかなければならない松崎恵子という女性を演じる。ある世代には懐かしいかつての家族像、人間関係が、この令和の時代にどんなふうに描かれ、またどんな風に受け止められるのだろう。
「昭和のよき時代を知っている方々には、ものすごく懐かしくて楽しいお話だと思うんですが、若い人たちにとっても、新鮮で笑えることがたくさん出てくるんだと思うんです。まず三世代で一つ屋根の下に暮らしているということ自体、若い世代には珍しいですよね。ちょっとしたお部屋の家具や置かれているもの、たとえば黒電話なども、今の人にとっては『あれ、何?』の世界のはず。だからこそ、三世代で観に来ていただけたら嬉しいなと思います。何より、その後の会話がきっと盛り上がるはずです。『おばあちゃん、あれは何?』などと会話が弾む姿が目に浮かぶようです」
