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高橋惠子さん・71歳「悪いことが起きても、悪いところでは終わらない」不運を幸運に変えた人生の受け止め方

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依田邦代

『あの不運があったから、今の幸運がある』と思えることがある

人生の学びは一生続く。学ぶたびに豊かになる

「若い頃から学ぶことは好きだった」という高橋さん。中学生のときにスカウトされ、女優をやるからには現場で演技を学びたいと自ら高校進学を断念した。デビュー後すぐにヒット作に恵まれたが、待っていたのは超多忙な日々だった。さらには強烈な役のイメージが先行し、実像と乖離していったことで精神のバランスを崩し、22歳のときに大量の睡眠薬による自殺未遂を起こしてしまう。

約2年間の休業を経て、舞台で復帰することになったが、その舞台の初日前日にまたもや精神的に不安定に陥り、海外へ失踪。再びの復帰が危ぶまれるほどの大事件となった。

「決して順風満帆とは言えない女優人生でした。デビュー後1年半で所属していた大映の倒産もありました。でも、危機のたびに誰かが救いの手を差し伸べてくれて、今日ここまで来ました」

高橋さんには、学校で学んだ知識ではなく、体当たりで生きてきた中で学んだ多くの人生訓ある。その中でも特に強く心に刻まれていることは……。

「悪いことが起きても必ず次の展開があって、悪いところでは終わらない、ということ」

そんな考え方がゆるぎないものになった、あるエピソードを披露してくれた。

「道端に捨ててあったサツキを、父が『まだ生きている』と持ち帰って花を咲かせたことがありました。私が家を建てたとき、父はすでに亡くなっていましたが、このサツキを株分けして庭に植えました。翌年きれいな花を咲かせたので『おじいちゃんも喜んでいるね』と娘と話していました。ところが、その花についていた害虫に刺されて、娘の顔に炎症が起きてしまったんです。皮膚科でも『これ以上、治療は無理』と言われるくらい重症で……。そのとき、知り合いのフィリピンの方が持ってきてくれたオイルをわらにもすがる思いで塗ったら、きれいに治ったんです。それがモリンガオイルでした」

「奇跡の木」と呼ばれるモリンガとの出合いだった。

「娘は本来、明るい子なのですが、顔の炎症がひどいときは誰にも会いたくないほど落ち込みました。当時は、おじいちゃんの形見でなぜこんなことになったのか、と納得のいかない思いでした。でも、そのおかげでモリンガと出合い、後に私と娘はモリンガを主成分にした化粧品やサプリをプロデュースすることになったのです。一見不幸な出来事も、あとで幸運に変わる可能性があるんですね」

もしかしたら、これはサツキの恩返しかもね、と娘さんと話しているという高橋さん。

「人生いろいろなことが起きます。そのときは不運だと思えても、のちにどう変化するかはわかりません。今では何が起きても、自分のために与えられたことと受け止められるようになりました」

「学びは一生続く」。生涯現役を目指す高橋さんは、これからも日々の体験から学び続け、その演技はますます深みを増していくことだろう。

毎朝のあいさつで新しい自分に

毎朝、起きたら窓を開けて空を見て、初めて出合う新しい日と新しい自分にあいさつします。「今日も一日いい日になりますように」と。晴天の日だけでなく、曇りの日も雨の日も。雲の向こうには必ず太陽がありますから。前の日に何があっても引きずらず、ここで切り替える。あいさつって、けじめだと思います。

【Information】爆笑喜劇『三婆』

高橋惠子

Ⓒ松竹

昭和38年、金融会社社長の武市浩蔵がぽっくり亡くなり、ひょんなことから本妻の松子、愛人の駒代、妹のタキは本宅で一緒に暮らすことになった。最初は犬猿の仲の三人だったが、やがてお互いのよさを学び、心を開いていく。三人のおばちゃまたちの奇妙な共同生活を描いた、爆笑の中にもホロリと泣ける傑作喜劇。

2026年11月3日(火・祝)~25日(水) 京都・南座
原作:有吉佐和子 
脚本:小幡欣治 
演出:齋藤雅文 
出演:高橋惠子 川中美幸 山村紅葉 ほか
チケットホン松竹☎0570-000-489  https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/

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撮影/中村彰男 スタイリング/安野ともこ 構成・文/依田邦代

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