NHK大河ドラマ「どうする家康」の戦国期に食べていたもの。家康が好んだスイーツは?
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鷹橋 忍
徳川家康というと、どういうイメージをもっていますか? 2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では、どんな家康が描かれるのでしょうか。戦国武将や城、水軍などに詳しい作家 鷹橋 忍さんに、知られざる徳川家康の姿や時代背景などについてひも解いていただきましょう。
大河ドラマ『どうする家康』は第1回から「桶狭間の戦い」が描かれ、まさに「どうするの、家康?」と尋ねたくなるような怒濤の展開が繰り広げられていますね。
家康が桶狭間の戦いにおいて、野村萬斎が演じた今川義元から与えられた任務は、大高城(名古屋市緑区)へ兵糧を届けることでした。
いつの時代も食糧は大切です。
そこで今回は、戦国時代の食べ物について、いくつかご紹介したいと思います。
まずは、米飯についてみていきましょう。
二種類の米の調理法があった
私たちはお米をといで、炊飯器のスイッチを入れるだけでおいしいご飯が食べられますが、戦国時代の人々はどのように調理していたのでしょうか。
戦国期における米食は、調理法により二種類に大別されます。
一つは、現在と同じように、水を入れて釜で炊く「姫飯(ひめいい)」。
もう一つは、甑(こしき)という穀物を蒸すための器を用いて蒸した、強飯(こわめし)です。
強飯とは?
強飯は、水田稲作が本格的に始まった弥生時代から作られていました。もともと米は、蒸すのが一般的だったといいます。
また、中世の一般の人々が食べていた米飯は、「半白飯」、「黒米飯」などと呼ばれる、麦や粟などを混ぜたものが多く、私たちが食べているような白飯ではありませんでした。
お粥も食べられていましたが、それも小豆や、芋、粟など、色々なものを混ぜていました(西ヶ谷恭広『戦国の風景』)。
合戦の兵粮
強飯を天日で二日ほど乾燥させたものを、「干飯(ほしいい 糒とも)」といいます。
そのままでも食べられましたが、湯水で戻して、嵩を増やして食することもできました。
干飯は保存がきき、水分を蒸発させたため軽量で、携帯性にも優れていました。そのため、合戦時の兵粮として重用されました。
芋がら縄 戦国のインスタントお味噌汁?
江戸時代の兵法書『雑兵物語(ぞうひょうものがたり)』には、今でいうインスタントのお味噌汁のような縄が登場します。
「芋がら縄」と呼ばれるこの縄は、ズイキと呼ばれる里芋の茎を乾燥させて縄状により、味噌で煮詰めたものです。
戦場では、この縄で荷物を縛ります。その縄を刻んで火にかければ、ちょうどいいお味噌汁ができるというのです。
そのまま千切って食べることもでき、なかなか良い味のようです。
『戦国、まずい飯』の著者の黒澤はゆま氏は、芋がら縄を実際に作り、千切って食べたところ、「大変においしく、酒のつまみになりそうな味だ」と作中で述べています。
試してみるのも、悪くないかもしれません。