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【家族疲れ】家の中のことに気がつかない夫にイライラ|ノンフィクション作家・沖藤典子さんがアドバイス

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ゆうゆう編集部

家族だからこそのストレスとどうつき合うとよい? 父や夫との関係に苦しみ、自身の壮絶な人生を多くの著書にしたためてきた沖藤典子さんに、「夫疲れ」についてアドバイスをいただきました。

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PROFILE
沖藤典子さん

おきふじ・のりこ●ノンフィクション作家。1938年生まれ、北海道大学卒業。
15年間の会社勤めの後、79年『女が職場を去る日』(新潮社)を出版し執筆活動に入る。以後、女性の生き方や家族の問題、シニアの研究、介護問題などについて執筆や講演を続ける。
『夫婦という幸福 夫婦という不幸』(集英社)、『介護保険は老いを守るか』(岩波新書)など著書多数。

【相談①】家の中のことに気がつかない夫にイライラ。毎日注意するのに疲れました

もう42年も一緒に生活している6歳上の夫は、「気づかない」のひと言。出かけるときに大事なものを忘れたり、食べこぼして床が汚れているのを放置したり、ちょっと気をつければ防げるミスが毎日起こります。トイレットペーパーやシャンプーが切れていても、気づいて交換してくれたことは一度もありません。

私も私で、夫が最近ボケてきたのではないかと気にしつつ、つい注意してしまいます。夫は「毎日怒られている」と不満そうですが、「あなたが気づかないから注意しているの。私だって言いたくないのよ」と疲れ果てています。(A・Iさん・66歳)

【沖藤さんのアドバイス】気づかない夫は放っておく。「優しい無関心」で夫婦間にほどよい距離を取りましょう

気づかない態度は男らしさの表れ?

家庭的な無能力は、夫にとっては「男の有能さの証明」なのでしょう。「家の中のちまちましたことに気づかない男=社会では仕事のできる器の大きい男」という図式ですね。

その背景には「夫は社会に出て働き、家のことは妻がすべて賄う」という性別役割分業の考え方があります。家の中のことに気を使うのは男の恥。いくら注意しても効果がないなら、夫にそんな気持ちがあるのかもしれません。

その半面、実はこの夫は注意されたがっているのでは。妻が自分のミスに気づくのは、自分に関心があり、いつも見守ってくれている証拠。それを確認しては安心するという承認欲求があるのかもしれません。つまり、妻が注意すればするほど、夫の承認欲求を満たしてあげることになるわけです。

気づいても気づかぬフリでやり過ごして

あなたも注意するのがストレスなら、いっそ言うのをやめてみては。夫も自分が気づかないだけで、あなたに文句は言わないのでしょう? これで「シャンプーが切れているじゃないか!」と怒りだすなら話は別ですが、そうでないなら「文句を言われないだけマシ」と考えて、夫に無関心になればいいと思いますよ。

おすすめなのは「優しい無関心」。冷たく無視するのではなく、日常生活はおだやかに粛々と送り、夫の欠点には無関心になるのです。リタイア後はいやおうなく夫婦の距離が近づきますから、お互いにあまり関心をもたないようにして、あえて距離を取ることがストレスをためないコツです。

夫を変えようとあがくのはあきらめて、貴重な時間を楽しいことや好きなことに費やしましょう。「もっと気のきく、まめな人と結婚していれば……」などと、理想の夫婦像を追い求めても意味がありません。日用品の交換は、夫の尻ぬぐいだと思うとイライラしますから、「いい運動になるわ」くらいの気持ちで軽々とこなしたほうが、あなた自身のためにもなりますよ。

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