モラハラ夫と離婚、子育ても終わった今、無気力状態から抜け出せません。坂東眞理子さんのすっきり人生相談
相談②
地震大国・日本の将来が不安
新年から北陸地方の震災など、痛ましいことばかり起こっています。私は静岡県で、古い木造の戸建てに住んでいます。被災地の映像をニュースで見るたびに、自分の住む町にもいつ地震が起きてもおかしくないと思うと、何もやる気になれません。(70歳・無職)
耐震診断を受けるなど自分にできる対策を
元日に発生した能登半島地震に心を痛めている方も多いと思います。相談者のように自宅の安全性が気になるなら、まずは耐震診断を受けること。そして、もし問題があった場合は耐震補強をしなければなりません。お金はかかりますが、自治体から補助金が出るはずですから、心配するだけでなく行動を起こすことが大事です。
そして、ハザードマップもチェックしてみましょう。ハザードマップは、自然災害時に危険と思われる場所や避難場所などを表示した地図。地震に関しては耐震診断をもとに家を補強できますが、土砂や火山などの災害となると個人では対応しにくいものです。ハザードマップは市区町村ごとに作成されているので、役所・役場でチェックしてみてください。そして、もし自宅が危険性のある地域にあるなら、シニア向け住宅の「サ高住」などに引っ越すというのも一つの選択肢です。
とはいえ、自分の住むエリアが危ないとわかっても、簡単に引っ越すことはできないかもしれません。いざというときにどうするべきかシミュレーションし、行動計画を考えておくことが重要です。
こういうときに私が思い浮かべるのは、「たとえ明日、世界が終わりになろうとも、私はりんごの木を植える」という言葉。心配ばかりしていても仕方ありません。今やれることをやろうと思っても、「明日地震が起きるなら、馬鹿馬鹿しいからやめよう」と諦めるようでは、何もできなくなります。
地震が起きるかも、病気になるかも、会社がつぶれるかも……。将来への不安は尽きません。でも、まだ来ぬ未来を心配して「今」を大事にしないのは、もったいないことだと思います。
大きな災害があると、テレビやネットから流れてくるのは災害関連のニュースばかり。それを見て気持ちが沈んでしまうなら、「しばらくの間、ニュースは見ない」と決めてもいいでしょう。テレビから意識的に離れ、自分の心をストレスから守ることが大切です。
「たとえ明日、世界が終わりになろうとも私はりんごの木を植える」
マルティン・ルター/ドイツの宗教改革者
※この記事は「ゆうゆう」2024年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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