【退職金のNGな使い方】60代以上が投資にまわす場合は?井戸美枝さんがアドバイス
もうすぐ定年を迎える方は、退職金の預け先や使い道について検討されていることでしょう。今回は、「投資にまわしても大丈夫だろうか」という悩みに、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんがお答えします。
目次
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【もうすぐ定年!Yさんの悩み】
来年、夫が60歳で退職。夫は「老後のために、退職金を投資で増やしたい」と話していますが、失敗して減るのが心配です。退職金は、どこに預ければいいですか?
【井戸さんのアドバイス】
・退職金が出ても、あわてて投資に走るのは失敗のもと!
・まずは1年程度普通預金に預けて、使い道をじっくり考えましょう。
・10年以内に使う予定のお金は、定期預金や個人向け国債で安全にキープを。
・投資は、10年以上使わないお金で行いましょう。
退職金は1年程度普通預金において、使い道を考える
退職金が出たからといって、いきなり全部投資にまわすのは危険!
いつ、いくらお金が必要かわからないまますべて投資してしまうと、急にお金が必要になったとき、損をしていても解約せざるをえなくなってしまいます。
退職金が出たら、まずは1年間を目安に普通預金に預けておいて、使い道をじっくり考えましょう。
1年たてば、生活費がどれくらいかかり、退職後の収入や年金で暮らしていけるかどうか、赤字が出るとしたらどれくらいか、などがわかってきます。
また、家のリフォームや子どもの結婚・出産など、今後のイベントも予想して予算をとっておくと安心です。
退職金の預け先を考えるのは、ここから。
お金の使い道や使う時期によって、最適な預け先は違ってきます。
10年以内に必要なイベント費は、定期預金、個人向け国債へ
家のリフォームや旅行、子どもの結婚祝など、10年以内に使いたいお金は、定期預金や個人向け国債で元本確保の金融商品でキープしておきましょう。
1年以上先に使うお金なら、特におすすめなのが個人向け国債の「変動金利型10年満期」です。
ワンポイント! 個人向け国債・変動金利型10年満期とは?
市場金利の動きに応じて半年ごとに金利が見直される国債で、今のような金利上昇の可能性が高い局面では固定金利型より有利。
もしも市場金利が下落しても、最低金利0.05%が保証されているので安心です。
1万円から買い付けられ、半年ごとに利息が受けとれます。
1年経てば、いつでも中途解約が可能。手数料として直近2回分の利子×0.79685が差し引かれますが、元本割れはありません。
金利は、2024年8月発行分で0.61%(税引き前)。毎月発行されていて、全国の銀行や証券会社で購入できます。自分の口座がある金融機関でチェックしてみましょう。