医師「昨日も今日も出ていない人はまずいです」【便秘】の放置が「腸閉塞」になるかも!?
適度な運動、睡眠、食生活など、まずは生活習慣の見直しを
便秘改善のために心がけたいのは、適度な運動、十分な睡眠、十分な水分の摂取、食物繊維の多い食事など。
「軽い腹筋運動やウォーキングなどを毎日の習慣に。座っている時間が長い人は、体をねじったり、ガスのたまりやすい左の脇腹やおへそのあたりを両手のひらで、ゆっくり押さえたりするだけでもガスが動きます。体内リズムが崩れると腸のリズムも乱れ、働きが弱ってしまうので、規則正しい生活と睡眠を。食物繊維は水溶性と不溶性の両方をバランスよくとりましょう」
水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよくとる
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり腸内環境を整える。不溶性食物繊維は便の量を増やして排泄を促進する働き、有害物質を吸着し排泄する働きがあるといわれる。水溶性が多く含まれるのは海藻類、いも類、りんごやみかんなどの果物、不溶性が多く含まれるのは穀類や豆類、きのこ類、野菜など。ごぼう、納豆にはどちらも多く含まれる。不溶性に偏るとおなかが張ることもあるので、バランスよくとることが大切。
水溶性食物繊維の多い主な食品
不溶性食物繊維が多い主な食品
水溶性、不溶性食物繊維のいずれも含む主な食品
排便を意識することも重要
そして、排便を意識することも大切だ。
「『出さなければ』という意識が排便を促します」
便秘薬については「飲み始めたら、習慣化するのでは」と心配する人もいる。
「便秘薬にも種類があります。センナ、アロエ、ダイオウなどの、アントラキノン系の薬はおすすめできません。腸管の神経に直接作用して、無理やり腸を動かし排便させるため、長期に使用すると腸管の神経を傷める可能性があります」
常喜さんがすすめるのは、酸化マグネシウムや食物繊維系の便秘薬。
「酸化マグネシウムは水分を大腸内に引き込むことで便を軟らかくする働きがあります。腸に適度な張りを感じさせて、腸の活動を促します。おなかが痛くなりにくく、自然な状態で排便できます。少し下痢ぎみになることもありますが、習慣性はありません。市販薬もありますし、かかりつけ医で処方してもらうこともできます。ただし、腎臓に問題がある人は酸化マグネシウムは使えないので、かかりつけ医に適切な薬を処方してもらいましょう」
【ドクターから一言】
若い頃のバナナうんちにこだわらないで。体のごみはためず、最低でも2日に1回は出す努力を。ときには薬の力を借りてもOKです
取材・文/田﨑佳子
※この記事は「ゆうゆう」2022年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
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常喜医院 院長
常喜眞理
じょうき・まり●1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医。内科学会認定医。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。
じょうき・まり●1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医。内科学会認定医。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。