裏切りにあってどん底にいた【上沼恵美子さん】を再び立ち上がらせてくれた言葉とは?
人生に悔いが残らないようやりたいことをやる!
2021年に始めたTouTubeも、心の支えになった。
「たくさんの方が見てくださるのが励みになっています。息子が手伝ってくれていますが、『おかんて人気あったんやな』 と、驚きながらも喜んでくれています」
上沼さんがパーソナリティを務めるラジオ番組には、こんな手紙が届いたことも。
「首くくって死のうと思っていた方が、私のラジオを聞いて『もうちょっとあなたのラジオで笑いたいから生きときます』って。嘘かほんまか知らんけど、嬉しかったです」
自分に届けられる小さな声も、心を強くしてくれる大事な言葉。
「つらいとき、背中を押してくれる人ってなかなかいないんですよ。だから自分で言葉を拾ってきて、その言葉を力にして、『よし!』と前を向いてきたような気がします」
若い頃から鍛え抜かれた話芸。一方で、言葉を生業とするからこそ肝に銘じていることもある。
「人に伝えて納得してもらうのは至難の業(わざ)。でも、言葉の力で自殺を止めることもできる。逆もまた然り。そのひと言で人を傷つけたり死に追いやったりすることがあるわけだから、すごい仕事だと思います」
「言葉は人を傷つけることも人の命を救うこともある」
言葉に傷つけられた経験も、自身の言葉に「命を救われた」と感謝された経験もある。だからこそ「言葉の力は偉大です」。「言葉っていいものだけれど、いちばん怖いのもまた言葉。日本刀を振り回すより怖いですよ」
年齢を重ね、訃報に触れる機会が増えてきた。そのたびに自身の今、そしてこれからを考える。
「人間は必ず死ぬ。早い・遅いはあるけれど、分け隔てなく必ず命はなくなる。私はその『いつか終わる』ということに背中を押してもらっているんです。命が尽きる前に、やっておきたいことややり残したことを悔いがないようにやろうって。だから今、精いっぱいやってます!」
「人はいつか死ぬ。だから精いっぱい!」
「2023年は谷村新司さん、最近では西田敏行さんも亡くなって。人は必ず死ぬんだということを思い知らされました。だから生きている限りは頑張らなあかん。できることもできないことも、全部ぶつけていこうと思っています」
上沼恵美子ちゃんねる
2021年にスタートした公式YouTubeチャンネル「上沼恵美子ちゃんねる」は現在、登録者数50万人を超える人気チャンネルに。人生相談、料理、ゲストとのおしゃべりなど多彩なコンテンツで、圧巻の上沼流トークが炸裂!
PROFILE
上沼恵美子 タレント
かみぬま・えみこ●1955年、兵庫県生まれ。
71年、姉妹漫才「海原千里・万里」の海原千里としてデビュー。レコードも発売し、76年には「大阪ラプソディー」が大ヒット。
結婚を機にコンビを解散するが、78年に「上沼恵美子」として活動を再開。テレビやラジオなど多数のレギュラー番組を抱え、日本を代表する人気タレント、司会者となる。
取材・文/本木頼子
※この記事は「ゆうゆう」2025年2月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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