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「バブル女子定年を迎える。60代から学ぶお金の基本」

退職金から100万円が一気に消えた!税金保険料恐るべし。マネリテゼロの定年女子が震撼した事実

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吉見フグコ

そもそも「優先させたいのは保障と運用のどちら?」

——小沢先生、私はマネーリテラシーとITリテラシーが著しく低い60代女子です。先日、定年退職金が振りこまれたのですが、どうしてよいかわかりません。銀行から「シニア相談会」のお誘い電話が何度も入ったので行ってみましたが、これは正解でしたか?

小沢「基本的には銀行には行かなくて大丈夫です。でも、いろいろな意見を聞くのも大切ですね。ちなみにシニア相談会は男性が多いので、銀行の担当者は若い女性だという噂がありますが、どうでしたか?」

——私1人だったせいか若い男性の方でした! イケメンでしたよ。

小沢「そうでしたか(笑)。どんな商品を勧められました?」

——ドル建ての保険商品です。

小沢「ああやっぱり! このケースが多いようですね。保険商品の運用先は保険会社ですから、銀行に中間取り分である販売手数料が発生します。要するに、銀行側にメリットがある商品を勧めてくる可能性があるのです。そもそもこれから保険に入る必要はありますか?」

——確かに。生命保険にはすでに入ってるので、60歳で新たな保険に入る必要はないかもしれません。

小沢「すでに入っているなら加入は不要です。保障内容がよくてもシニアから加入すると保険料も割り高ですし。死亡保険金は相続税と異なる非課税枠があるので、相続対策などの目的なら検討の余地はありますが。シンプルな運用がよいと思います。」

キーワードは「シンプルな運用」

——でも、米ドルも豪ドルもこれから10年先まで見通しが明るく、現在の金利(積み立て利率の年利)は4.21%とすごく高いんですよ。現在のレートだと、1,000万円預けたら、1年で30万円くらい儲かるんですって!

小沢「外貨建ての商品にはメリットとデメリットがあります。詳しくは、記事の第3回で紹介しますね。
そもそもですが、優先させたいのは保障と運用のどちらでしょうか? 新たな保険に入る必要がないのでしたら、運用をされたいということだと思います。でしたら、保険商品ではなく、NISAなどを使った運用をする方が効率的です。仮に運用目的で変額保険に加入すると、保障に対する保険料や、運用管理費用に加えて保険会社への高い手数料も払うことになり効率は悪いのです。運用はシンプルにNISAを使った方が圧倒的に有利ですよ。なお、NISAについても、詳しいことは第3回でお話させていただきますね。」

——なるほどです。勢いで加入しなくてよかったです。シンプルな運用がキーワードですね。
でも私、住宅ローンが残っているのです。銀行では返済せずに運用したほうがいいと言われましたが本当でしょうか? いろいろ疑心暗鬼になってきました。

▼次回「退職金で住宅ローン返済すべきか否か?」に続く(毎週金曜更新予定)▼


ご協力いただいた 小沢美奈子先生

ファイナンシャルプランナー。K&Bプランニング代表。
大学卒業後、損害保険会社にて社員教育、研修講師、営業などを経験。会社員時代に取得したファイナンシャルプランナー資格を活かし2015年にK&Bプランニングを開業。Webや雑誌などでのマネー記事執筆、セミナー講師、個人コンサルティング、女性向けマネーコミュニティの講師としても活動。趣味はカメラ、バレエ、犬。著書に『本物の節約・残念な節約』(河出書房新社)
【ホームページ】https://kandbplanning.org/

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