【夏樹陽子さん・72歳】二度の結婚生活を経て、今がいちばん幸せと語る理由とは?
目標を公言してそれに向かって進む
ひとりで過ごす暮らしで、もう一つ夏樹さんが心がけているのが、遺言を書くこと。書くことで漠然とした孤独感からも解放され、すっきりするのだという。
「両親を看取った経験からも感じますが、どんなにきょうだい仲よくても、財産の多寡にかかわらず、遺言書はきちんと残しておいたほうがいい。書くことで自分が誰を頼りにして、今何を希望しているのか、現在地が明確になるんです。気持ちをすっきりさせるのにも有効。もちろん気持ちは変化しますから、書き換えていけばいいんです。ひとりで生きるうえでの責任でもあるかもしれませんね」
時代の波に乗り遅れないことも大切なことだ。夏樹さんはデジタル機器の操作がとても苦手だったが、諦めずにスマホやタブレットの操作を習得した。今はホテルの予約もファミレスでの注文も難なくできる。
「時代を知らないと演技も古くさくなってしまい、世界も狭めてしまうことになる。それは新たな出会いも摘んでしまうのでもったいない。新しいことには謙虚に心を開いていきたいですね」
今年も企画が目白押しの夏樹さん。ソロコンサートにも、いろいろなゲストを招き、そのコラボレーションが生み出す「化学反応」を楽しみたいという。
「これをやりたい、いつまでにこれをやる、という目標を公言してそれに向けて頑張るというのも、暮らしに張りをもたらすいい方法ですよね。口に出せば、他者の意見も聞ける。そこにまた別の人の意見が加わり……ひとりで悩んでいる時間なんてもったいないです」
【「いつかはひとり」でも大丈夫!のヒント】
①勇気を出して自分から一歩を踏み出す
「幸せは歩いてこない」、孤独を感じて閉じこもってしまう前に、思い切って自分から人に声をかけてみることも大事。ほんの一言の挨拶から人の輪が広がることも大いにあるから。
②新しい時代の波に乗り遅れない
デジタル関連が苦手で、使い方を覚えるだけでも最初は頭痛がしたが、諦めずにスマホ、タブレットの使い方を習得。時代の波に乗ることで自分の世界を狭めないよう心がけている。
③即答を求めないで何事もじっくり考える
知りたいことがあると、スマホがすぐに何もかもを教えてくれる時代。だが、安易に答えを得る前に、自分でじっくり考えに考えて工夫をする訓練を。それが自分を強くしてくれる。
撮影/中村彰男
ヘア&メイク/高橋 貢
スタイリング/寳田マリ
取材・文/志賀佳織
※この記事は「ゆうゆう」2025年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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