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【高畑淳子さん】「私を明るくしたもの? いろいろな不幸かな(笑)」道を切り開く”術”とは…

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ゆうゆう編集部

「やっぱり舞台がいちばん好き」と言う高畑淳子さんが、この春挑むのは、ノエル・カワード作のウェルメイドコメディ『陽気な幽霊』。しかもその役柄は霊媒師。古希を迎えてますます元気はつらつ、夢を追って進み続ける高畑さんに、舞台のこと、今思うことをたっぷり伺いました。

PROFILE
高畑淳子さん 女優

たかはた・あつこ●1954年香川県生まれ。
桐朋学園大学短期大学部芸術科演劇専攻卒業後、76年青年座に入団。
85年、舞台『セイム・タイム、ネクスト・イヤー』で注目され、その後、各方面で活躍。
出演作に舞台『越路吹雪物語』『ええから加減』『組曲虐殺』、ドラマ「真田丸」「なつぞら」「舞いあがれ!」など。
紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞最優秀女優賞など受賞多数。2014年紫綬褒章受章。

“イタリア女”を演じて初めて自由になれた

映画にドラマにバラエティにと、今やあらゆるジャンルで大活躍の高畑淳子さんだが、やはりその原点は舞台。これほどのベテランになった今も毎年舞台出演を続けている。しかも毎回さまざまな役柄に挑んでは、新たな驚きと感動を届けてくれていて、今年も楽しみな作品が控えている。ノエル・カワード作のウェルメイドコメディ『陽気な幽霊』だ。

物語の舞台は、イギリス・ケント州、小説家チャールズ・コンドマインの自宅居間。ある日チャールズは、小説の取材として霊媒師を招いて降霊会を開くことにした。そこに現れたのは7年前に亡くなった先妻のエルビラの幽霊。しかもその姿はチャールズにしか見えない。チャールズと今の妻ルースにちょっかいを出してくるエルビラ。それが思わぬ事態をもたらすことに。高畑さんが演じるのは、ある意味、物語の要である霊媒師アーカティ。

「演出の熊林弘高さんによると、おどろおどろしいというよりは、上流階級の生活の中でもそのしきたりなどにかまわず、自転車に乗って空気を感じ、仕事場に行く、自然と話ができるような人、なのだそうです。現世の利益を重んじるセレブリティをどこか揶揄しているというか、彼らとは違うものを大事に暮らしている人。でも奇声をワーッと上げてバタンと倒れるところもあるんですよ(笑)。どんなふうになるのか私も楽しみです」

華やかな顔立ちと舞台映えするスタイルには、特に翻訳劇がよく似合う。高畑さんが出演する外国の芝居は、何だかいつも華やかでワクワクさせてくれる。

「私の所属している青年座の芝居は和ものが圧倒的に多いんです。若い頃は深窓の令嬢役などを着物姿で演じていたのですが、私は体の骨組みが大きいので合っていなくて、いつも『正面向くな、斜め向け!』って叱られていました(笑)。それが加藤健一さんの舞台に呼んでいただいて“イタリア女”をやったときに『同じ女優と思えない』と劇評にも書かれたぐらい、『なんて自由なんだ!』って思ったんです。“伴天連(ばてれん)女優”と呼ばれるようになりました(笑)」

幽霊は怖くないけど 怖いものがあるとしたら“人”、特に群衆ですね

今作はコメディだが、考えようによっては背筋がひんやりするような怖さもはらんでいる。

「幽霊は怖くないけれど、怖いものがあるとしたら“人”ですよね。特に群衆となったときの人。単体ではみんな真心があり、話せばわかることが多いのに、いったん群衆になった瞬間に矛先を変えることがある。この戯曲も単に幽霊が出てきて面白くて、というだけじゃなくて、人間のいろいろな面を示唆しているところもあって、やはり長く生き残っている作品には、何か根っこが深いものがあると思います。翻訳劇って、文化がわからなくて壁にぶつかることも確かにあります。でもそれを上回る何かを得られることもある。たとえば今作であれば、“プレイ”というものを長く愛おしんで作り上げてきたイギリスならではの国民性とか歴史とか。それに学ぶことも少なくないんですね」

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