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【ガーデニング】鉢植えは土が決め手。見違えるように花が咲く!用土の基礎知識

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光武俊子

基本用土のブレンドにも挑戦しよう

市販の培養土が主流になったのは30年ほど前でしょうか? それまでは赤玉土鹿沼土(*3)などの基本用土を自分なりにブレンドするのが一般的でした。基本用土の品質は培養土に比べて安定しているので、今でも自分でブレンドする愛好家さんは少なくありません。

*1赤玉土:関東ローム層の赤土を団粒化させたもので、大中小の粒ごとに販売されている。通気性や保水性に富み、焼成されて無菌状態に近いため挿し木などにも使える。

*2腐葉土:ブナなどの広葉樹の落ち葉を微生物によって分解させたもの。肥料分はないが、通気性や排水性などに優れ、基本用土に加える改良用土。落ち葉の原形がほぼ残らないほど分解された、完熟のものを用いる。

*3鹿沼土:火山砂礫が降り積もった粒状の軽い土。赤玉土に比べて崩れにくいため、山野草などの蒸れに弱い植物に用いる。乾湿の違いが色でわかりやすい基本用土のひとつ。

基本の用土には、ほかにも黒土や関西本面でよく利用する真砂土(*4)など、さまざまあります。これらに、基本用土を補う腐葉土堆肥ピートモス(*5)などの改良用土をブレンドして、植物がよく育ち使い勝手のよいオリジナル用土をつくるわけです。

一般的な配合としては赤玉土小粒か中粒6:腐葉土4(関西では真砂土5:腐葉土5)などが標準になります。多肉植物山野草など、水はけのよさを重視するものなら、標準から赤玉土を減らして鹿沼土を加えます。

*4真砂土:関西地方でごく一般的な土で、花崗岩が風化して砂礫状になっている。

*5ピートモス:湿地のコケなどが堆積した泥炭。保水性や通気性に富む。

庭に置かれたコンポストに枯葉や野菜くずなどを積み上げている。最下層が完熟した堆肥

本来は植物の好みに合わせて用土をブレンドすると、根がよく伸びて株も大きく元気に育ちます。植物の成長や花つきを大きく左右する用土は、まだまだ奥の深い世界。じっくり試してみるのもよいでしょう。

※2024年2月21日に配信した記事を再編集しています。

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挿し木とは、植物の枝、葉、根などを切り取り、土にさして新しい根や芽を発生させる繁殖方法です。​この方法は、親株の特性をそのまま引き継ぐため、同じ性質の植物をふやすことができます。

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