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デビュー40周年コンサート当日に脳出血で倒れるも、車椅子でステージに復帰。歌手【井上あずみさん】

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ゆうゆう編集部

後遺症で、ちゃんと 歌うことができない

手術から2週間後、リハビリ専門の病院に転院した。侑夕さんは毎日病室を訪れ、歌のレッスンをしてくれたそうだ。

「私の歌のCDを病室で流しながら練習していたのですが、聴けば聴くほどいい歌ばかりで、『私の歌は最高!』って自画自賛しながら、気持ちよく練習をしていました」

しかし、娘と夫は絶望しそうな心と闘っていた。なぜなら、井上さんの歌が予想以上にめちゃくちゃだったからだ。

「イントロの途中で歌い出したり、リズムが合っていなかったり、キーがずれていたり……。それなのに私は全然気づいていなかった。脳が損傷するってこういうことか、と家族のショックは大きかったそうです」

話すことも歌うことも立つこともできないまま、入院生活は3カ月が過ぎた。

「11月頃が一番つらくて、うつ状態でした。仕事ができないこと、先が見えないことが不安で、『このままだと気が狂う』と夫に訴えました。彼は『気持ちはわかった。でもこの状態で家に戻ってきても暮らせないから、トイレに歩いて行けるようになったら家に戻ろう』と目標を決めてくれたんです」

まずは退院。さらに1年後にコンサートを行うための会場を予約してくれたのだ。

▼後編に続きます▼

取材・文/神 素子

※この記事は「ゆうゆう」2025年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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