60代以降のリフォーム現金一択は正解?「知らないと損する」【補助金・助成金】とは?
30代や40代でマイホームを手に入れた方は多いでしょう。ゆうゆう世代になると、家の中に気になる箇所が出てくるはずです。そこで今回は、古くなってきた家のリフォームに関連する税制と助成金について、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに伺いました。
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リフォームに関する減税措置は、住宅(リフォーム)ローンを組んだ場合と、ローンを利用せずに、現金払いにした場合で、適用される制度が異なります。
ローンを利用した場合に適用されるのは、「住宅ローン控除」です。10年以上の住宅ローンを組んでリフォームした場合は、年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除されます。仮に、年末の住宅ローン残高が500万円の場合、所得税が3万5000円少なくなります。
ただし、控除額は納める所得税が上限となります。たとえば、計算上3万5000円が控除されることになっても、納めている所得税が3万円の場合、控除される所得税は3万円が限度です。
現金でのリフォームにも条件次第で減税措置が
60代に入ってからリフォームを行う場合、住宅ローンは使わずに、現金で支払うご家庭も多いでしょう。ローンを組まずにリフォームを行っても、リフォームの目的によっては、「リフォーム促進税制」が適用され、減税の恩恵が受けられるケースがあります。
リフォーム促進税制の対象には、耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、三世代同居のためのリフォームなどが挙げられます。これらのリフォームを行った場合、対象工事限度額までは、標準的な工事費用とみなされる金額の10%が所得税から控除されます(下の表)。対象工事限度額を超えた分に関しても、一定の条件に当てはまれば、工事費用の5%の控除が受けられます。
たとえば、バリアフリーリフォームを行い、標準的な工事費用が100万円の場合、その10%に当たる10万円が所得税から控除されます。住宅ローンを利用したリフォームと異なるのは、リフォーム促進税制は所得税の減税制度であること。住民税は減税対象にはなりません。
住宅ローン控除、リフォーム促進税制とも、納める税金から直接控除される「税額控除」となっているため、節税効果の高い制度といえます。
リフォームの目的によっては固定資産税も安くなる
耐震や省エネを目的としたリフォームを行うと、固定資産税が安くなるケースもあります。たとえば耐震リフォームを行うと、固定資産税の2分の1、バリアフリーリフォームと省エネリフォームでは3分の1が減額されます(下の表)。軽減措置が受けられるのは、1年間。リフォームの目的、家の築年数やリフォーム費用ごとに、減額を受けられる条件が設けられています。
省エネ窓と高効率給湯器の導入で助成金が受け取れる
現在国では、既存(中古)住宅の省エネ住宅化に向けて、さまざまな支援を行っています。たとえば環境省では「先進的窓リノベ2025事業」、経済産業省では「給湯省エネ2025事業」を展開しています。
高断熱窓の設置に対しては、工事費用の2分の1程度まで、最高200万円の助成金を受けられます。ヒートポンプ給湯器、ハイブリッド給湯器などの高効率給湯器を導入すると、導入した機器によって10万円、13万円、20万円などの助成金が受け取れるケースもあります。
先進的窓リノベや高効率給湯器などへの助成は、年度ごとの予算で実施されている制度で、毎年、予算規模や締め切り時期などが少し異なります。省エネ窓や高効率給湯器設備などの導入を検討しているなら、2025年度の制度をきちんと調べておくことをおすすめします。
防犯カメラや生け垣の設置で助成金を受けられる自治体も
最後に、各自治体が独自に行っている助成制度をご紹介します。最近、増えているのは、防犯カメラの設置に対する助成。防犯カメラを購入すると、購入費用の一部を助成してくれるというものです。
また緑化を促す目的で、家の外構部分に生け垣を設置すると、助成金が受け取れる自治体もあります。家の周りに手を加えようと考えているなら、各自治体のホームページなどで助成制度がないかを調べてみるとよいでしょう。
なお、自治体の助成制度は、購入する前や設置する前の事前申請が必要なものも多くなっています。せっかく設置したのに助成を利用できなかったということのないよう、申請の手順をきちんと確認しましょう。
●法制度などは、2025年4月現在のものです。
※この記事は「ゆうゆう」2025年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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ファイナンシャル・プランナー
畠中雅子
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。
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