【高畑淳子さん】「私を明るくしたもの? いろいろな不幸かな(笑)」道を切り開く“術”とは…
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ゆうゆう編集部
苦節の日々を支えてくれた母を94歳で見送って
昨秋、古希を迎えた。若い頃は3回台本を読めば全部覚えられていた台詞も、紙に書いて家中に貼らなければ覚えられなくなった。ここ数年は膝の痛みがひどく、いろいろな治療を受けては克服してきた。日々そうした体力的な衰えは感じるが、それでも演じられる場があるのはうれしい。18歳のときに合格した名門大学の道ではなく、芝居の道を選んだことを、今は幸せだと感じられる。
「いや、今でも『慶應大学に進んでいればよかったかな』なんてよく思うんですよ(笑)。でもまあ、まだ台詞をかろうじて覚えられて、芝居のためにお酒を控えよう、運動も少しはやろうと思えているということは、楽しい仕事を選べたのかなとも思います。趣味もなかったので、“演劇クラブ”に入っているような感じでしょうか。『エブリデーサンデーやで』と言う同級生が多い中で、この年になってもまだ頑張れる場があることは幸せだなと思います」
昨年末に94歳で母が亡くなった。眠るような最期だった。
「芝居の道に進むとき、父は反対したのですが、『お父さんは黙っとり。この子はやるちゅうたらやる子や。見とってやろうな』と送り出してくれたのは母でした。私はもともと暗い人間で、20代もずっと暗かったんです。なかなか売れなくて悔しい思いもたくさんして。そんな中、母は陰で〝嫁の口〟を用意しながらも(笑)、『もうちょっと待ってみようか。1年、2年な』と言い続けてくれた。演劇学校の同級生で今も芝居を続けているのは3、4人。よくぞ送り出してくれたと思います」
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