【美川憲一さん×安奈淳さん】1カ月半の入院で筋肉が落ちた…それでもステージへ。病と歌をめぐる本音の対談
こうなったらやるっきゃないのよ (美川)
安奈 私は50歳過ぎた頃に難病のエリテマトーデスという膠原病の一種になり、病院に救急搬送されたとき、「あと1時間遅かったら死んでいた」と言われたんです。そして、体にたまった水を10日かけて抜いたら60キロあった体重が33キロになった。心臓にも水がたまっていて、もう少しで窒息死するところだったそうです。その後、危篤になって「今夜が峠です。お葬式の用意をしてください」と友達が言われたこともあったけれど、奇跡的に生還しました。そのとき人には寿命があるんだな、と思いました。やるべきことが残っているから生かされたんだと思ったの。
美川 私はこれまで一度も病気をしたことがなかったの。一度、骨折したときも車椅子でブラジルまでコンサートに行きましたから。
安奈 すごい!
美川 それくらいしぶとかったのよ。でもねパーキンソン病だってわかって、今まで休みも取らずに身を粉にして働いてきたから、ここで休めということなのかなと。
安奈 歌い続けてきた60年ですものね。
美川 病気になると不安になってね、死というものを身近に感じる。今までは考えたこともなかったのに。でも、立ち向かうしかない、闘わなきゃ仕方ないなと。
安奈 10月に退院し、12月からステージに復帰されましたよね。
美川 そう。初めはコロッケとのジョイント。一人は無理だから、サポートしてもらうにはコロッケがいいなと思って。まぁそのときに「おかえりなさい!」って客席がすごかったの。私、初めてステージで泣いたわ。
安奈 ジョイントは、コロッケちゃんが美川さんのものまねをするようになってからでしょ?
美川 私から「あんたやんなさいよ」って言ったの。そうしないと生き残れないわよって。あの人も去年2月に膝の手術をしたのよ。
安奈 みんなどこか悪いけど、やるしかないわね。
美川 やるっきゃないのよ。
––––病気にも負けず、前向きなお二人の生き方に力が湧いてきます。ありがとうございます。
▼後編に続く▼
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撮影/山田崇博
取材・文/依田邦代
※この記事は「ゆうゆう」2026年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
