高橋惠子さん71歳、住まいも生き方も「変化」を選ぶ理由。9LDKの家から都心マンションへ、そして次の夢
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依田邦代
ひとつ屋根の下に熟女3人が同居する喜劇に挑戦
ひとつ屋根の下といえば、高橋さんは、ひょんなことから一緒に住むことになった3人の女性たちの物語の舞台に11月に出演する。
「『三婆』という有吉佐和子先生原作のお芝居です。私は、突然亡くなった金融会社社長の本妻の役で、その本宅へ亡き夫の愛人と妹が転がり込んでくるという話です。家が舞台になっていて、みんな本宅を狙っているんです」
それだけ聞くと、どろどろとした女のバトルの物語?と思いきや……。
「初めは、互いに意地とプライドをぶつけ合う3人ですが、時間と共にだんだんとその関係性が変化していきます。『三婆』というタイトルからもわかるように、3人の共通点は年を重ねた女性であること。この世代同士だからこそわかり合えて、共感できる点が多々あって、一緒に暮らすうちに、いつしか妙な連帯感が生まれます。そして、老々介護ではないですが支え合って生きていくようになるんです。これがもし若いときだったら、全然違っていたでしょうね」
ひとつ屋根の下に他人同士がいっしょに暮らす生活はどんなものか?
「そりゃあ、もめるでしょう。もめないわけがない。でも、そのもめ方がおもしろいんです。喜劇は喜劇でも『爆笑喜劇』ですから、思い切り笑っていただきたいです。そして、ときにはホロリとさせる、そんなお芝居を目指します」
実は「お笑い好き」だという高橋さん。今回の喜劇への挑戦も意欲的だ。
年を重ねてもおばあちゃんにはならないと決めた
『三婆』という強烈なタイトルのお芝居。実は以前にも出演の打診があったという。
「50代後半頃にもお話をいただいたことがあるんです。でも、『もうちょっと若い役をやっていたいので、ごめんなさい』とお断りしました。今回は71歳なのでさすがに何の不足もない、とお引き受けしました」
『三婆』というからには、おばあさんを演じる?
「ある程度は年を重ねた雰囲気で演じるつもりですが、『おばあさんっぽく』というのはあまり意識していません。それよりも3人の関係性の中で、本妻である自分がどう変化するかのほうに重心を置いていきます」
高橋さん自身は「人は年を重ねたからといって老いるとは限らない」と考えている。
「昔は70代といえば立派なおばあさんでしたが、今の70代はもっとずっと若いですよね。栄養状態や意識の持ち方など、時代の変化によるものかもしれませんが。だから、今は『年を重ねたらおばあちゃんになるもの』という常識を捨ててもいいんじゃないかと思っているんです」
高橋さんはプライベートでは7人の孫がいる。
「48歳のときに初孫が生まれ、世間で言う『おばあちゃん』になりました。でも、まだ若かったせいもあるのですが、そのときに『私は一生おばあちゃんっぽくはならない』と決心したんです。孫たちには、ずっと『あーちゃん』と呼ばせていますし、孫たちに接するときも『おばあちゃんだから』という意識はなくて、『私は私』というだけです」
住まいも家族も、大切な存在ではあるけれど、それらに縛られることなく、「私」を大事にしている高橋さん。年を重ねると共に「こうあるべき」から解放されて、ますます自由になっている。
昔の70代は「もう」「今さら」というあきらめ世代だったが、今の70代は「まだ」「今だから」という挑戦世代なのだと、高橋さんを見ていると希望が湧いてくる。
【Information】爆笑喜劇『三婆』
2026年11月3日(火・祝)~25日(水) 京都・南座
昭和38年、金融会社社長の武市浩蔵がぽっくり亡くなり、ひょんなことから本妻の松子、愛人の駒代、妹のタキは本宅で一緒に暮らすことになった。最初は犬猿の仲の三人だったが、やがてお互いのよさを学び、心を開いていく。三人のおばちゃまたちの奇妙な共同生活を描いた、爆笑の中にもホロリと泣ける傑作喜劇。
原作:有吉佐和子
脚本:小幡欣治
演出:齋藤雅文
出演:高橋惠子 川中美幸 山村紅葉 ほか
チケットホン松竹☎0570-000-489 https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
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