文具ライター小日向 京さんの【手書き】のすすめ。ざらっとした紙に万年筆で書くと見えてくるものとは?
乱雑な筆跡のなかにも、むしろ乱雑だからこそ紙に残される「その時の空気」というものがあって、余白に書き加えたちょっとしたメモやインクのにじみなどからも、書いた時の状況が思い起こされることがあります。一見とりとめのないように思えるそうした「情報」も、追憶のトリガーとなる――それが手書きの機能のひとつと痛感します。
さて、文字・文章の記述には大きく分けて「人と共有するために書くもの」と「自分だけが目にすることを前提に書くもの」があります。
上に挙げた筆者の記述は後者で、そのような記述ほど、使う筆記具と紙に自分の好きなものを用意しています。
先に書いた「自分の心を見る」①②③のために、気分を高める文具を選ぶことはとても効果的です。
自宅でひとり味わうお茶のために、とっておきの茶器を用意することと共通するようです。
筆者の場合、
◆筆記具は、万年筆や鉛筆
◆紙は、いくぶんザラッとした引っかかりのあるもの
を使います。
そうした文具の話を、これからの連載でいろいろと書き綴りたく思っています。
今日も自分と対話しながら、心を整えてまいりましょう。
小日向 京の「文房具の話」
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