91歳の樋口恵子さんが伝えたいこと。「3つのショクを生活に取り入れることが健康長寿の秘訣」
超高齢社会に突入する2025年に向けて
高齢期をより豊かに自分らしく過ごすために、樋口さんが提案・実践しているのは食・職・触の「3つのショク」を生活に取り入れること。
「私は80代半ばで家を建て替えたとき、虎の子貯金が減った心細さや喪失感からプチうつになりました。食欲が低下し、調理する気力も起きず、食がおろそかになった結果、栄養失調で入院するハメに。そのときに痛感したのが『食』の大切さ。食べることは生きることなのです」
「職」は仕事をすることだが、ボランティア活動や地域社会でのお手伝いなども含む。
「高齢者だってまだまだ働けます。シルバー人材センターなどに登録して働くもよし、ご近所さんのちょっとしたお手伝いをするもよし。微力でも社会の役に立ちながら自分自身も楽しめる『微助っ人(ビスケット)』の志で、いつまでも社会とつながり続けてほしいと思います」
最後の「触」は、人との触れ合いや人間関係づくり。
「職場の仲間は退職すれば縁が薄れるし、家庭も子どもが独立すれば家族が減る。そんなとき、血縁でなくても支え合える地域コミュニティがあれば、高齢者は家に閉じこもることなく社会に存在できます。コロナ禍で孤食が増え、人と触れ合う機会も減ってしまいましたが、ようやく元に戻り始めた今だからこそ提案したいことです」
樋口さんは、この「3つのショク」の重要性をすべての世代の人に、そして行政に携わる人たちに届けたいと考えている。
「2025年には団塊世代が皆75歳以上になり、高齢者人口が過去最多になるといわれています。迫りくる超高齢社会に向けて実現したいのが『3つのショク』。身体的健康の増進を諦めない医療対策、高齢者が外に出やすい社会になるような行政の施策を望みます」
取材・文/本木頼子 撮影/柴田和宣(主婦の友社)
※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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