[後編]91歳の樋口恵子さんが実践!「3つのショク」を維持する方法とは?
【触】のヒント
人とつながることは社会とつながること
杖や補聴器をちゃんと使う
「少しだけ耳が遠くなり、1年ほど前から補聴器を使っています。人とコミュニケーションを取るときに、相手の話が聞こえないのでは困ると思って」
膝用の補助具や杖も、外出をサポートしてくれる大切なツール。「あれやこれやと、老いにはお金がかかりますけれど(笑)」
ボランティアに挑戦
誰かの役に立ちたいと考えるなら、ボランティア活動を始めてみるのも◎。
「ボランティアを通して幅広い世代の人と交流できればいいですね。年齢を言い訳にせず、貪欲に挑戦するべきだと思います。私も過去はあまり振り返らず、常にこの先どうするかを考えたいと思っています」
学校や職場のつながりを保とう
よい人間関係があれば、おひとりシニアになっても安心して生きられる。
「私のように人づき合いの多い人間でも、親身になってくれる友は年々減っていきます。学生時代の友人や職場の仲間とのつながりを少しでも残しておけば、社会から孤立するのを防げるのではないでしょうか」
介護する側の老後のために介護離職はストップ!
高齢の親をもつマチュア世代の中には、親の介護が始まると仕事を辞めてしまう人も少なくない。実際、2021年の厚生労働省「雇用動向調査」では、介護・看護を理由に離職した50歳以上の女性は4万人以上と報告されている。でも「その介護離職、お待ちなさい」と樋口さん。
「高齢者自身が仕事をもつことも大事だけれど、高齢の親をもつ50代・60代の女性が介護離職をしないことも重要です。なぜなら、介護離職は女性の老後の貧しさに直結するから。女性と就労の問題にはまだ多くの課題が残りますが、BB(貧乏ばあさん)にならないためにも、仕事を辞めずに働けるうちは働き続けてほしいと思います」
また「触」では、街に高齢者が休める場があることや、清潔で安全なトイレがあることも重要だという。
「海外へ行くと街の中にちょっと休めるベンチがあるのが当たり前だけれど、日本にはあまりありません。そして高齢期になるとトイレが近くなりますが、どこに行っても公共トイレが汚い。安全な洋式トイレ、和式の場合は手すりが設置してあるなど、安心して入れるトイレが必要です。街にそういう施設が少ないと、出歩く機会が減ってしまう。高齢者にやさしい街づくり・施設づくりがまだまだ必要だと感じています」
樋口さんのボケにくい習慣とは?
●モノは捨てない
●おしゃれ心を忘れない
●たわいもない話をする・筆まめに
●猫を愛する
●社会に関心をもち続ける
●花を愛でる
●なるべく自力で歩く
●いつまでも食いしん坊
など
取材・文/本木頼子 撮影/柴田和宣(主婦の友社)
※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
★あわせて読みたい
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樋口恵子著
主婦の友社 1650円/四六判/208ページ
夫を見送り、80代で家を建て替え、乳がんの手術をし、今なお仕事を続けている樋口恵子さん。猫と暮らす普段の暮らしから「脳によい8の習慣」「91歳が安心して住める家」「100歳に向けて人生の歩み」までを巻頭グラビアで紹介。新作エッセイも多数掲載。
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ゆうゆう2023年11月号
「健康寿命を延ばす食事と暮らし」を大特集。おしゃれなライフスタイルを発信している柏木由紀子さんと、健康長寿のコツは「3つのショク(食・職・触)」という樋口恵子さんにお話を伺いました。さらに、「ポスト更年期」の女性の体とのつき合い方、体と頭を強くする食事術、健康寿命を延ばす歩き方について、専門家がアドバイスをいたします。いつまでも健やかに暮らすためには、正しい知識と日々の積み重ねが何より大事。「そのうち」ではなく、今日から! この特集をお役立てください。
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