80歳【俳優・香山美子さん】「50年ぶりのひとり暮らしです」つや肌を維持する秘訣は”夜のあの習慣”
シワ一本も、人生を積み重ねた結果と思えば自信になります
色白でキメ細かな肌に、涼しげな目元。美しく年を重ねる香山さんだが、「美」に関しても自然体だ。
「一通りのスキンケアはしますけれど、引っ張ったりのばしたり、特別なことは何もしていません」と話す。
「若いとき、親子役で共演して親しくさせていただいた沢村貞子さんが、おっしゃったんです。『年をとれば顔も体もおのずと崩れてくる。生きていればそれだけ顔も体も使うんだから当然。嘆くことはないのよ』と。本当にそうですよね。シワができるのも、人生を積み重ねたからこそ。自信をもてばいいんです」
ことに役者というのは、「自然に年をとれば年相応の芝居ができる。それがいちばんいいのよ」という沢村さんの言葉に導かれるように、香山さんの役柄も自然に変化していった。
40代になると母親役が増え、60代のときには、映画『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』で主役を務めた。
「普段あまり年齢を意識しませんから、え、おばあちゃん? 私もそんな年になっちゃったんだ、って(笑)。あの役は面白かったですね」
ひとり暮らしを楽しむため健康管理は万全に
俳優になってからずっとオファーが途絶えることがなく、多忙だった香山さんには、普通の人が味わう「当たり前の生活」をしてこなかったという思いもある。
「だから今の日常が新鮮なのです。息子が幼い頃は傍にいてあげられませんでしたけれど、今はよく一緒に飲みに行ったりもします。できるだけ健康を維持して、この普通の生活を楽しみたいですね」
そのためにも半年に1回の人間ドックを欠かさない。
「半年だったら、もしがんが見つかったとしてもそんなに進行していないだろう、と。診断結果の日は毎回ドキドキしますけどね。コレステロール値や血糖値などの変化もわかるので健診は大切。ひとり暮らしは誰も助けてくれませんし、息子に迷惑かけたくないですから、健康管理はちゃんとしないと、と思います」
この自立した心根が、香山さんの美と健やかさを支えている。
香山美子さんの【健やかな年齢の重ね方のヒント】
①犬の散歩とついでストレッチ。無理しない運動習慣
愛犬、ヨークシャテリア2匹の散歩が毎朝の習慣。「ワンワンと起こしに来ますから、早起きできるし、運動にもなる。散歩の途中に太ももを上げてストレッチもしています」
②つや肌の秘訣は適量のお酒。1時間半で区切る
夜はひとりでなじみの居酒屋で飲むのが至福。ただしダラダラ飲まず、1時間半と決めている。「お酒は適量だと血行がよくなり、肌がつやつやに。夜も気分よく眠れます」
撮影/中村彰男 取材・文/村瀬素子
※この記事は「ゆうゆう」2024年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
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