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はるな愛「すっぴんの美しさを教えてくれたのは…」東京の親のような存在だった夫婦とのエピソードを告白

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ゆうゆうtime編集部

2025年1月にマラソントレーナー坂本雄次さんが亡き奥様との61年間をつづった『天国ゆきのラブレター』を刊行しました。坂本夫妻とまるで家族のように親しくしていたのが、タレントのはるな愛さん。お2人と非常に近しい関係だったからこそ得れた経験、そしてこの本の素晴らしさを教えていただきました。

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「すっぴんの美しさ」を教えてくれたのが雄次さんでした

マラソンを通して坂本雄次さん、そして奥様の節子さんと出会いましたが、最初は「走ることの意味」なんてまったくわからなかったんです。

でも半年間雄次さんが伴走してくれて、私の人生はもう480度変わりました。走ってる間は無になれて、自分の考えを整理できるというか。それまでの私は外見の美しさにばかりとらわれていて、メイクしないで外に出るなんて、考えもしなかった。けど、雄次さんが「ゴールした時のすっぴんほど素敵なものはないよ」ということも教えてくれました。

やけどしそうなほど熱いタオルをしぼって…

お2人と出会えたマラソンの大きなお仕事が終わった後も、プライベートでご飯に行ったり、マラソンイベントなんかにも呼んでいただいたり。本当に2人いつも一緒で理想のパートナーだなと思っていました。

でもママ(節子さん)の病気が発覚してからは、雄次さんはすべてのお仕事を辞めて生活をママのために捧げていましたね。

そう、ママが新宿の病院に入院していた時、私も毎日のようにお見舞いには行っていたのですが、雄次さんはびっくりするくらい熱いお湯にタオルを入れて、それを素手でしぼっているんですよ。

「これ雄次さんやけどしちゃうよ!」といっても、「せっちゃん熱いおしぼりのほうが好きだから」って聞かないんですよね。その熱いタオルでママの体をふいてあげているんですよ。

家族の介護や看護はネガティブな印象をもたれがちですが、その時の雄次さんからは全身全霊で愛する人を支える、これは当たり前の奉仕だという感じしかしなかったですね。なので、振り返ってみると闘病中はそれはそれでお2人にとって非常に濃厚な時間だったのかもしれません。

雄次さんの作るカレーが本当に絶品なんです!

年末年始も坂本家にお泊りいかせていただいたり、プライベートな相談もよくしていました。私は飲食店も経営してるので、そういったお仕事のこともね。

ご飯はよく3人で外食に行きましたね。私もともとボンゴレが苦手だったのですが、ママは大好きで「ここのはおいしいよ!」と教えてもらったお店で食べたら、すごくおいしくて。それで克服できました。

あと、雄次さんが作るカレーがめちゃくちゃおいしいんです!かつおぶしといりこだしが入ってるのかな?とにかく他では食べられない、絶品カレー。マラソントレーナーの仕事ぶり見ていても、雄次さんって凝り性なんですよね。その人の骨格とか基礎体力とか調べまくるんで(笑)。ママもそのカレーが大好物で、3人でおいしいおいしいってよく食べていましたね。

そんなご夫婦だったので、雄次さんはママが入院している病院の近くにホテルを借りていたものの心配で心配で、夜中でもまた病院に行くって言いだすの。結局、ママは病院で亡くなったのですが、そのあともずっと自宅に連れて帰ってきてあげたかったって雄次さん言ってましたね。「お医者さんのアドバイスもらってやったことだから、これが最善だったんだよ」とは言ったんですけどね。

はるなさん自身はラブレターを書いたことは?

うーん、なかなかないですね。昔は好きな人のおうちを先に出る時に、メモ書き程度に何か書き残す、というのはありましたけど。

雄次さんとママは339通ですよね?!でも近くで見ていた者としては、この二人の一体感はそういう過去があったから、と納得できます。

実はこの『天国ゆきのラブレター』を書いてる最中に、「もうせっちゃんのことが嫌いになった」と言って、雄次さんがママに対してすごく怒っていたことがあったんですよ。

本を書くにあたって過去のラブレターをすべて読み返すわけじゃないですか。だから改めてママの気持ちを読み解くわけですよ。そうしたら、「この時本当はせっちゃんは僕のことを好きではなかったんだ!」とか言って(笑)。いやそれもう60年以上前のことだし、当時はまだあなた10代でしょ?って。
でもそのくらいママの過去の気持ちもすべて一体化したい、というか。ここまで愛せる人と私出会えるのかなって思いますね。

誰もがこういう関係性を築けるかわかりませんが、だからこそこの2人の物語は非常に貴重で、多くの人に読んでいただきたいと思っています。ぜひお手にとっていただけるとうれしいです。

天国ゆきのラブレター

著者:坂本雄次
定価:1,760円(税込)
判型、ページ数:四六判、218P、上製版 
ISBN:978-4-07-460010-6
発売日:2024年12月25日(水)
出版社:主婦の友社
※電子書籍も同時発売

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