「60代以上は放置すると危険!」糖尿病や認知症にもなりうる【歯周病菌】今すぐできる予防法は?
人生100年時代といわれる今、健康長寿のカギを握るのが「歯」。年齢を重ねると生じやすい歯の問題とは何か、歯と体にはどんなつながりがあるのか。いつまでも元気でいるための秘訣を老年歯科の専門医に伺いました。
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>>口の機能の低下が全身の老化につながる!? 【オーラルフレイル】チェックで危険度を判定!
お話を伺ったのは
水口俊介さん 老年歯科専門医
みなくち・しゅんすけ●東京医科歯科大学(現・東京科学大学)歯学部卒業。
同大学歯学部附属病院長を経て、2024年より同大学名誉教授。
現在は西東京歯科医院 本院にて診療を担当。
近著に『からだの「衰え」は口から 歯と健康の科学』(講談社)。
磨き残したプラークが原因となって歯周病が進行
オーラルフレイルの一因ともなるのが虫歯と歯周病。この2つが歯を失う大きな原因となる。
「子どもの虫歯は歯の溝の表面を覆うエナメル質にできますが、シニア世代の虫歯はエナメル質の内側にある象牙質にできます。年をとると歯ぐきが下がって象牙質が露出し、そこにプラーク(歯垢)がたまって虫歯になるのです。ちゃんと歯磨きをしていれば虫歯にはなりませんが、歯茎部のプラークを全部除去するのは難しく、時間もかかる。年齢を重ねてからは特に丁寧に磨く必要があります」
もう1つが歯周病だ。よく名前は聞くが一体どんな疾患なのか。
「歯周病は、歯と歯を支えている歯槽骨の間にある歯根膜で起きる病気。そして歯周病の原因は歯磨きの際の磨き残しです。磨き残しがあるとそこに歯周病菌が発生し、炎症を起こして歯根膜が破壊され、歯と歯ぐきの境目に深い溝ができます。これが歯周ポケットです。歯周ポケットの中の細菌は簡単には除去できないため、成熟したプラークになって炎症が進行します」