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韓国ドラマ【ホジュン】ウィテは師としてジュンに授ける最期の“授業”をする。胸アツの 19〜28話レビュー

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藤岡眞澄

ジュンの3人の師匠が揃った、大切なシーン

内医院の医生として研修を始めたドジ。当直をサボった判官の代わりに重体の王子の治療に成功した手柄もあり、王子宮専属の侍医となり、宮中人事に影響力を持つ令監の娘との縁談を勧められていた。

ちなみに、内医院でドジはじめ医員がかぶっている左右に羽のついたような帽子は「紗帽(サモ)」といい、科挙合格者が執務を行うときの冠帽。ジュンがいつもつけているヘアバンドのようなものは「網巾(マンゴン)」で、髷を結った髪がずり落ちないように額に巻いた。外出のときに被る黒笠は髷を守る目的の「笠(カッ)」といい、身分によってつばの広さが違うという。チェックしながら観ると面白い。

ドジの人生がトントン拍子なのにくらべ、ジュンはウィテの指導のもと、反胃(胃がん)や疫病患者に手を尽くして治療するが、命を救えない経験を重ねる。それは「何でも治せるなどという思い上がりは禁物だ」とジュンに気づかせるために必要な時間。実は、ウィテ自身も不治の病である反胃にかかっていた。

そして、ついに死期を悟ったウィテ。ジュンに宛てた遺書を残し、自害してみずからを献体し、師としてジュンに授ける最期の“授業”をする。それは、誰もしたことのない「人体の解剖」だった。

サムジョク大師が「(これが)ユ・ウィテが永遠に生きる道だ」と諭し、アン・グァンイク(チョン・ホビン)が震えるジュンに「小刀を持て」と握らせ、ジュンは涙をこらえて師匠の体を切り開く。

のちに世界遺産『東医宝鑑』を編纂するジュンにとって、その土台を築いたとも言える大切なシーン。そこに、ウィテ、サンジョク大師、グァンイクというジュンの3人の師匠が揃ったというのも、胸アツだ。

亡きウィテを描いた人体解剖図を手にジュンがドジのもとを訪ねたとき、ドジは“心医”としてのウィテが決めた後継者、すなわち“息子”はドジだったことを思い知る。ジュンに「負けた」のだ。

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