【79歳・中尾ミエさん】ご近所づきあいで得た「魚の捌き方」お刺身がおいしいのは、釣りたてよりも2~3日後!?
「新しいことに挑戦して人生を楽しもう!」「『できた』が増えると自信も楽しみも増える」。
そんな言葉でいつも私たちを励ましてくれるミエさんが、今回は自身も“ 新しいこと” に挑戦!ミエさん流ご近所づき合いのコツも教えてくれました。
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ご近所仲間の稲葉さんは釣りが趣味。毎週のように釣りに出かけては、釣った魚をわが家に届けてくださいます。だから私、ここ2年ほどは魚を買ったことがないの。むしろ食べきれないほど大量の魚が届くこともあるくらいです。そんなときはご近所さんにおすそ分けしたり、冷凍保存したり。保冷ボックスに入りきらないほど釣れるらしく、稲葉さんも「もらってくれて助かる」と喜んでくださっています。
ところが私は料理があまり得意じゃない。魚なんて捌さばけない……。そこで、これまたご近所仲間の矢崎さんをお呼びして、いただいた魚を捌いてもらいます。矢崎さんはどんな魚も手際よく捌いてくれて、「こうしたらおいしいよ」と調理法を教えてくれるんです。それまで魚はせいぜい焼くくらいでしたけれど、矢崎さんのおかげで煮魚を覚えたのよ。アジが届いたらアジフライにすることも覚えたし。この期に及んで、ですけれど。
そんな矢崎さんからは散々、「いい加減、魚の捌き方を覚えたでしょう?」「自分で捌いてみなさいよ」と言われていました。だから、そろそろやらなきゃいけないかなと思っていたところで、この連載を思い出して。「私だってやればできる!」を皆さんにお見せしようと、初めて自分で魚を捌いてみることにしました。
一応、道具だけは全部そろっているんです。うろこ取りに骨抜き、出刃包丁が2本。骨がちゃんと切れないと身がぐちゃぐちゃになっちゃうから、よく切れる出刃包丁は必須です。そしてわが家は庭のデッキに流しがあるの。もともとは愛犬を洗ったりするために造ったんだけど、今は魚を捌くのに大活躍。大きい魚はうろこが飛び散って大変だけれど、外の流しなら作業しやすいから大助かりです。
見るのとやるのとでは大違い。でも、できた!
この日、稲葉さんが届けてくださったのは真鯛、アジ、イワシ、カサゴ、サバ。真鯛はご覧のとおり、2kgほどもある立派なものです。エプロンをつけて準備万端! 矢崎さんに指導してもらいながら、魚捌きに初挑戦です。
手順としては、うろこを取って、頭を切り落とす→おなかを肛門まで捌いて内臓を取り出す→3枚におろす。真鯛の骨はすごく硬いから、まず頭を落とすのにひと苦労。3枚におろすのも、丁寧に包丁を入れながら骨から身をきれいにはがすのが難しかった……。いつも見ていてわかったつもりだったけれど、実際に自分でやってみると全然違うわね。でも、何とかできました!
さあ、この真鯛はどう食べよう? 以前は獲れたての魚のお刺し身が一番おいしいと思っていたけれど、2、3日寝かせたほうがおいしくなると知りました。それを教えてくれたのも矢崎さん。以来、塩水につけたキッチンペーパーでくるんで、2、3日冷蔵庫で寝かせてからお刺し身に。ぐっと甘みが出て、おいしくなります。
とはいえ、淡白な魚はバター焼きが一番おいしい♪ 秋冬は家の庭で採れたレモンをのせてバター焼きにすることもあります。今はレモンの時季ではないけれど、今日の晩ご飯は真鯛のバター焼きに決定です。
考えてみたら、一年中旬の魚をいただけるなんてとても贅沢よね。魚が届いたら、ご近所仲間で集まって魚を捌いたり、おしゃべりしたり、庭の手入れをしたり。私の家の中のことも全部教えてあるから、みんな私がいないときでもわが家にやってきて、魚捌きから後片づけまでして帰ってくれるんです。新鮮な魚を分け合えるからみんな喜んでくれて、私も嬉しい。素敵な近所づき合いができているなと思っています。
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撮影/玉置順子(t.cube) 取材・文/本木頼子
※この記事は「ゆうゆう」2025年8月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。