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年齢を言い訳にしない! 宇宙飛行士・野口聡一さんに学ぶ「60代からの夢の見つけ方、叶え方」

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鵜澤みな子

2025年7月5日、一般社団法人プラチナエイジ振興協会主催の「第11回プラチナエイジ授賞式」にて、文化・教育部門で表彰された野口聡一さん。日本人として初めて国際宇宙ステーションに長期滞在し、世界で初めて3種類の帰還方法を経験した人物として、ギネス記録にもなりました。野口さんは定年前の2022年にJAXA(宇宙航空研究開発機構)を退職。新たなキャリアをスタートさせました。年齢を重ねてもモチベーションを維持する秘訣について伺います。

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何かを始めたい! そう思ったら、まずは棚卸し

「輝いている60歳以上」の著名人に贈られる、プラチナエイジスト賞。その文化・教育部門で受賞した野口さんは、60歳という自身の年齢をどう見ているのだろう?

「60歳はこれまで『還暦』といわれていましたが、『プラチナエイジ』というのは素晴らしい表現だと思います。ゲームでいうとプレーヤーレベルが上がって「レベル60」に到達したわけで、レベル50のときとは違う戦い方ができる。60代は50代と同じように戦う必要はないと思っています。これまでの知見という武器で、レベル60なりの戦い方ができるんですね。あるいは、航空会社のマイレージのステータスで考えると、プラチナステータスになるわけです。しかも、このプラチナステータスはランクダウンすることがない。来年以降も、そのままでいられる。我々が年齢を重ねていくなかで、これまで得たものはなくならない、輝きを失わないステータスとして、プラチナエイジスト賞をいただいたと思っています」

年齢を重ねることは決してマイナスではなく、ゲームのレベルや航空会社のステータスのように、むしろプラスにとらえることができると語る野口さんは、定年前にJAXAを退職し、今も挑戦を続けている。では、同世代の私たちが何かに挑戦したいと思ったとき、どこから手をつけたらいいのだろう? いつまでも輝き続けるために、何かしたい。そう思っても、何をしたらいいのかがわからない……。そんな人に野口さんがおすすめするのは「自分の棚卸し」。

「ここでいう棚卸しとは、自分が今やっていること、自分ができていることを文字にして並べてみることを指しています。家事や仕事で忙しいと、一日一日、あるいは一年ごとの意味や重みを自覚しないまま、日々を過ごしてしまう。ときどき手を止めて棚卸しをすると、自分が何を達成したかや、自分が得意なことを把握することができます。自分が得意なことがわかったら、やりたいことも見えてくるはずです。自分は何もできていないと悲観的になっていた人でも、過ぎていった時間が無意味ではなかったことがわかるのではないでしょうか」

棚卸しには、コツがある。

「一人で自分の棚卸しができる人もいると思いますが、自分だけではわからないこともある。ぜひ、他の人にあなたのことを聞いてみてください。家族、近所の人、あるいは昔の友人。働いている人であれば同僚や先輩、部下などに、あなたが達成したことや上手にできていることを教えてもらいましょう。『自分』というのは、あなたの心の中にひっそりと存在しているわけではありません。他の人の瞳に映った『自分』の姿を多数重ねることで、自分が自然に見えてくる。他の人の意見を重ねることはすごく意味があると思います」

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