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その推し活、大丈夫?「つらい推し活」にしないための大切なポイントを禅僧・枡野俊明さんがアドバイス

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ゆうゆう編集部

今回は、「大ファンで推しているアーティストの握手会に何度も参加しているのに、覚えてもらえない」という相談です。「推し活はおすすめ」という禅僧・枡野俊明先生に、その理由や健全な推し活とは何かを伺いました。

門を開けば

「開門福寿多(門を開けば福寿多し)」
自ら門を開くことで福を招き入れようという禅の言葉です。

人生を前向きに元気に楽しむために「推し活はおすすめ」という枡野さん。さて、その理由は?

<今月のテーマ>
「大好きな推しに覚えてもらえません」

大ファンで応援しているアーティストの握手会に数えきれないほど参加しています。会えるのはとてもうれしいのですが、いつになっても、何度参加しても自分のことを覚えてもらえない悲しみも感じます。

心が震える体験は年齢が上がるほど大事

大好きな「推し」がいるというのは、それだけでとても素敵なことだと思います。その人を追いかけてコンサートに行ったり、CDショップを回ったり、ファンクラブの情報をチェックしたり、毎日がアクティブになっていきますよね。

以前、私の寺にお参りに来られた年配の女性が、とてもかっこいいTシャツを着ていました。よく見るとイギリスのロックバンド、クイーンのTシャツだったのです。「クイーンがお好きなのですか?」と聞くと、「若い頃から大ファンなんです」と言います。何年か前の来日公演にも行かれていて、そのときに販売されていたライブTシャツなのだそうです。しかも驚いたことに、東京でのコンサートだけでなく、大阪と名古屋にも駆けつけたのだとか。その話をうれしそうに語るお顔がキラキラ輝いていて、50歳以上若返ったかのように見えました。

禅には「花を見るものは老いを知らず」という言葉があります。年齢を重ねると、どうしても若い頃のように感動することが少なくなりがちです。多くの経験を重ねたがゆえに、何を見ても新鮮さがなくなってしまうのかもしれませんね。だからこそ、花の美しさに心を震わせることができる人は、いつまでも若々しくいられるのです。

この「花」とは「推し」と同じ意味だと思います。相談者さんは美しい花を愛でるように、「推し」に胸をときめかせ、心を揺さぶられているのです。それは「推し」のもつ強いエネルギーを全身で受け止め、命が共鳴しているからなのでしょう。その命のみずみずしさは、若者に負けてはいません。そんな気持ちにさせてくれる存在がいることそのものが、幸せなのだと私は思います。

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