63歳の私が84歳の私へ送った21年越しの手紙—88歳作家ソフィ・バーナムが綴る「老い」と幸せ
21年後の未来の自分へ手紙を書く——。そんなユニークな試みをしたのは、88歳のニューヨークのベストセラー作家です。人生後半で見つけた幸せをつづった『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』(アスコム刊)から、その興味深いやり取りを一部抜粋してご紹介します。第2回は、63歳のわたしから、84歳のわたしへ。
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>>42歳の私が21年後の私へ手紙を書いた理由─人生の意味と孤独、「愛」をめぐる静かな問い63歳のわたしからわたしへ
(84歳時に開封のこと)1999年12月9日
最愛のペニーへ
ソフィ―
おそらくこれが、わたしからあなたに書く最後の手紙になるだろう。21年前のあなたであるわたしからの手紙だ。できれば1999年12月12日、つまりあなたの誕生日であり、わたしの誕生日でもある日に書きたかったのだけれど、今年の土曜の夜(訳注:12月11日を指す)はニューヨークで過ごす予定なので、あなたに手紙を書く時間が取れそうもない。
……あなたを愛している。あなたは幸せだろうか? まだ健康で楽天家で、思い切り笑って新しい事柄にどんどん挑戦しているだろうか? 心優しく、今でも人を愛し、人から慕われてもいるだろうか? 今も書いている? それとももう筆を措いただろうか? あなたのことを何もかも知りたいと思っているけれど、実際のところ、いずれわかるのだから、待つことにしよう……。
今夜、ここ31丁目1405番地でわたしは机に向かっているが、自分についても、人生についても、あなたに特別伝えるべきことは何ひとつ思い浮かばない。この美しい世界を前にして、63歳の今のほうが、4半世紀近く前よりもかえって理解できなくなっている。
祝福を与えようと掲げられた手の映像がなぜだか目に浮かぶ。手のひらを開き、あなたを祝福している。
……それ以上は、頁の余白に任せることにしよう。すべての愛をこめて。
愛だけを
ソフィ
著者紹介
ソフィ・バーナム
1936年生まれ。アメリカの作家、劇作家、エッセイスト、詩人。著書16冊を刊行している作家であり、そのうち3冊は「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーとなっている。作品は26言語に翻訳されており、ノンフィクション、小説、短編、詩、戯曲、ドキュメンタリー映画、児童文学、ラジオドラマなど、多岐にわたるジャンルで執筆活動を行っている。世界各国で配信された記事やエッセイも数百本にのぼる。日本で翻訳されている著書に『天使の本』(ジャパン・タイムズ)がある。
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老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙
ソフィ・バーナム著
柴田 幸裕 訳
アスコム刊
「年を取るのってどんな感じ?」60歳の誕生日を目前にした59歳の女性が、80代の親戚女性である著者に、老いへの不安を感じながら、ふと、こんな質問をすることから始まります。その問いへのアンサーとして、作家が綴った1通の手紙がプロローグとなり、数珠繋ぎで続いていくみずみずしいメッセージ、「未送信の手紙集」です。
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