【中尾ミエさん・80歳】自分にとって最後のミュージカルができれば、満足のいく芸能人生になるんじゃないかな
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ゆうゆう編集部
大変な思いをしてこそ自慢できる作品になる!
そしてもう一つは、9月8日に幕を開けたブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』。東京公演は終了していますが、10月から大阪、福岡、愛知と全国公演が控えています。
この作品は1964年にブロードウェイで初演されたミュージカル。実在した女優、ファニー・ブライスの半生を描いた物語で、私は主人公・ファニーの母親役です。母親役だから大したことはないだろうと思っていたら、これが大変! ただ歌っていればいいと思っていたのに容赦なく振り付けされるし、やたらと出番が多くて、共演の方々からも「え!? ミエさん、出番多くありません?」と言われました。「本当よねぇ」なんて言いながら、日々頑張っています。
歌も振り付けも理屈じゃなく、体で覚えるしかありません。私は幸いにもデビュー時から歌と並行してお芝居もダンスもバラエティもやっていました。今、それが全部役に立っていると感じます。
それに、何をやるにしても、大変なことをやらないとお客さんにも楽しんでもらえないでしょう? 大変なぶん胸を張って「観に来て!」と言えるし、大げさに言えば「生きている」という実感にもつながります。
ミュージカルといえばブロードウェイが本場ですが、私はずっと「日本製のミュージカルをつくりたい」と思っていました。ようやくチャンスを得て上演したのが、『ヘルパーズ!~あなたがいる風景~』や『ザ・デイサービス・ショウ』、私、中尾ミエプロデュースのオリジナルミュージカルです。
そして来年、自分がプロデュースする最後のミュージカルをやりたいと思っています。「最後の作品はこの人たちとやりたい」という思いはあるけれど、みんな年寄りばかりだから、生きていてくれるだけで半分は成功です。
年を重ねたからこそできる、私の芸能生活の集大成。最後の最後まで悔いなくやりきる……それが一つの終活だと思っています。
ブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』
女優を目指すファニー・ブライス(望海風斗)は、母(中尾ミエ)から反対されつつも、持ち前のユーモアと根性でスター街道を駆け上がる。ハンサムなニック(坂本昌行)と恋に落ち結婚するが、ニックは詐欺罪で逮捕され……。
[公演スケジュール]
10月9日(金)~18日(日)
大阪・梅田芸術劇場メインホール
10月24日(土)~11月1日(日) 福岡・博多座
11月10日(火)~15日(日) 愛知・御園座
製作:東宝/ワタナベエンターテインメント
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取材・文/本木頼子
※この記事は「ゆうゆう」2026年秋号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
