老後資金が少なくても大丈夫!医療費と介護費をしっかり準備する方法
老後資金が不足しそうな人は、いまから家計の見直しを!
必要な支出を書き出してみて、「こんなに準備できない」と思う人もいるでしょう。でも、大丈夫! 支出や収入を見直すことで、必要な資金は縮小できます。
上の例でいえば、たとえば、①の毎月の生活費の赤字ほてん分は、やりくりで1万円赤字が減れば必要な資金は半分の360万円に、赤字が解消すれば720万円全額が不要です。
年金額が少なく、どうしても赤字が出る場合は、老後も短時間でもパートに出て、収入を増やすことも検討するといいですね。
同様に、②、③の特別支出も、見直せる支出はないかチェックしてみましょう。
車にかかる費用は、免許を返納する年齢を決め、そこから逆算して費用を見積もるのがおすすめです。たとえば、今58歳で車が8年目、70歳で免許を返納するつもりなら、現役のうちに車を買いかえて、70歳まで乗りつぶせば、買い替え費用は不要になります。70歳以降は、自動車税や自動車保険などの維持費もかかりません。
旅行費やレジャー費も、毎月の年金やバイト代から少しずつ積み立てて準備すれば、貯蓄の取り崩しが減らせます。
(見直し例)
上記の必要な老後資金例を見直した場合
① 毎月の赤字補てん用
月の赤字2万円が0円に減少→▲720万円
② 年間の特別支出
旅行・レジャー費を月の積み立てで出すと年10万円減少→10万円×30年=▲300万円
70歳で自動車免許を返納すると、70歳以降車の維持費年15万円減少→15万円×25年=▲375万円
③ 数年~生涯に1度の特別支出
車の買い替えをやめる→▲200万円
④ そのまま
合計で1595万円減って、必要な老後資金は1555万円に!
老後資金が足りるか足りないかは、実はとてもシンプル。入ってくるお金(年金など)に対して、出ていくお金(生活費など)がおさまればいいのです。極端にいえば、それができれば、老後資金は医療費と介護費のお金さえあればいい、ということになります。
老後資金が少なくて不安な人は、いまからもらえる年金と毎月の支出、特別支出をきちんとつかんで、少しずつ見直していきましょう。
プロフィール
井戸美枝
いど・みえ●ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士、国民年金基金連合会理事。生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題が専門。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに、雑誌や新聞に連載を持つ。近著に『フリーランス大全』(エクスナレッジ)。『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)など著書多数。
ホームページ:http://mie-ido.com
Twitter:@mieido
※この記事は2024年9月9日に文章構成を変更しました。
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