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【本物になるために必要】なのは、このひとつだけ!禅僧 枡野俊明さんに学ぶ

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ゆうゆう編集部

「朝は早く起きて掃除しよう」「ネットを見る時間を決めよう」と決意しても、結局は三日坊主で終わってしまう......そんな人も少なくないことでしょう。続けるためにどうすればいい?『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)から、禅僧 枡野俊明さんにお話しいただきます。

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プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。

一生まね続けたことは、必ず本物になる

「学ぶ」という言葉は、「まねる」からきているといわれています。誰かの行動や生き方をまねる、一流の人の技術をまねる、本を読んでやり方をまねる......それが「学び」です。

「人をまねるなんて偽物ではないか」と思うかもしれませんが、そうではありません。「ものまね」と「学び」を分けるものがあります。

それは、どれだけ長くまねを続けることができたか、です。

昔から「三日坊主」という言葉が使われるのは、勢い込んで始めても、3日くらいで挫折してしまう人が少なくないからでしょう。3日でやめたら、ただのものまねで終わってしまいます。しかし長く続けることができれば、その人なりのやり方として身についていくはずです。

ひとつの目安は100日です。100日続けることができれば、その行動を体が覚え、生活の中に根づいてきます。100日続けたことは、1年続けることができるでしょう。1年続けることができれば、3年続けることも可能になります。「石の上にも三年」ということわざがあるように、3年続けるとようやく本質の部分がわかってくるようになります。「この仕事のやりがいはここだ」「いや、やはり自分には向かない」などの判断ができるようになるためには、3年という実践の積み重ねが必要なのです。

そして3年以上続けたことは、一生続けることができるはずです。最初は「ものまね」でも、一生続けることができればそれは「本物」といえるでしょう。

体が慣れるまで100日。「 10日×10 」で乗り越えていく

禅寺には「制中(せいちゅう)」と呼ばれる修行期間があります。この間は無用な外出などは禁じられ、集中して厳しい修行を続けるのです。この期間が100日。新到(しんとう)と呼ばれる一年目の雲水(修行僧)にとって、この100日のつらさは筆舌に尽くしがたいものがあります。疲労困憊(こんぱい)しすぎて夜も眠れないほどです。どんなにつらくても逃げる場もありません。

しかし不思議なもので、続けるうちに少しずつ体が慣れてくるのがわかり、なんとか修行を終えることができるのです。これはお釈迦様の時代から続く修行ですから、古来100日という日数は「体が慣れる期間」としてとらえられていたことがわかります。

どんなことでも、やり始めたらぜひ100日続けてほしいと思います。100日は長すぎると思うのであれば、まずは10日、次はまた10日......これを繰り返すうちに、100日にたどり着くのではないでしょうか。

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