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10月からの法律改正でパートやアルバイトでも【社会保険】に加入できるかも!? 手取り額はどう変わる?

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ゆうゆう編集部

手取りへの影響

では、社会保険の加入によって手取りがどう変化するのか見ていきましょう。表2は、パートなどの手取りを月収別に比較したものです。

負担する社会保険料と所得税・住民税は、月収10万円で約1万6000円、月収12万円で約2万1000円と決して少なくありません。その結果、社会保険料などの負担がない月収8万円の手取りと、負担がある月収10万円の手取りには大差がありません。ただし、もう少し働いて月収12万円になると、負担は増える一方で、手取りも確かに増えることがわかります。

社会保険加入のメリット

社会保険に加入すると、「老齢基礎年金」(国民年金)に加えて、「老齢厚生年金」(厚生年金)も受給できるようになります。仮に月収10万円で10年間働くと、この間支払う厚生年金保険料の総額は約108万円に上ります。が、これを負担すれば年額約6万円の老齢厚生年金を生涯受給できます。65歳から年金をもらう方なら、83歳で受給総額が保険料の負担額を上回る計算です。平均寿命が87歳を超える女性にとってはメリットといってもよいかもしれません。また、要件を満たせば障害年金や遺族年金が2階建てになる他、健康保険からは「傷病手当金」が支給されるなど、病気やケガ、死亡時への備えが手厚くなることも加入の大きなメリットです。

収入の多寡に関係なく、誰もが働いた分に相応する保険料を負担し、その保障を受けることを国は目指しています。今回の「適用拡大」は、その通過点にすぎないと考えられますので、社会保険の加入を避けるために、働く時間を安易に調整することはあまりおすすめできません。社会保険料の負担は決して軽くはありませんが、加入するメリットを知り、老後や人生の万が一に向けた「未来への仕送り」と前向きに捉えることも必要でしょう。

●法制度などは、2024年7月現在のものです。

※この記事は「ゆうゆう」2024年10月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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監修者

社会保険労務士

伊藤紀代美

いとう・きよみ●人事労務の専門家として、企業の労務相談や給与計算、社会保険手続き、助成金申請など幅広い業務を担当。共同通信社「経済ウィークリー」のコラムなどを執筆。

いとう・きよみ●人事労務の専門家として、企業の労務相談や給与計算、社会保険手続き、助成金申請など幅広い業務を担当。共同通信社「経済ウィークリー」のコラムなどを執筆。

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