「光る君へ」紫式部のモデルは誰?光源氏のモデルは道長か?『源氏物語』の登場人物を考える
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鷹橋 忍
彰子は藤壺の宮?
『源氏物語』では、桐壺帝は桐壺更衣亡き後、桐壺更衣によく似た藤壺中宮を入内させました。
光源氏は5歳年上の藤壺中宮に想いを寄せ、やがて藤壺中宮は光源氏との不義の子(冷泉帝)を産みます。
見上愛さんが演じる彰子は、この藤壺中宮のモデルの一人と見なされています。
その理由は、藤壺中宮と呼ばれるのは、寝所が飛香舎(藤壺)であるためですが、彰子もまた、飛香舎(藤壺)を寝所としていたからだといいます(繁田信一『『源氏物語』のリアル 紫式部を取り巻く貴族たちの実像』)。
定子を藤壺の宮のモデルの一人とする説もあります(手塚昇『源氏物語の再検討』)。
紫式部は空蝉?
空蝉は、紫式部自身がモデルの一人ではないかと推定されています。
『源氏物語』の空蝉は、両親と死別し、伊予介という、かなり年上の受領の後妻となりました。
物忌みのため、空蝉が伊予介の子・紀伊守の邸に滞在していた時、空蝉の寝所に、17歳の光源氏が忍び込み、結ばれました。
その後も光源氏は誘いをかけてきますが、空蝉は自身が身分の低い人妻であることから、拒み続けます。
再び、光源氏が寝室に忍んでくると、空蝉は小袿(上着)を脱ぎ捨てて、その場を逃げ去りました。まさに、蝉の抜け殻のようですね。
紫式部の亡夫・佐々木蔵之介さんが演じる藤原宣孝も受領で、紫式部よりもかなり年上でした。
身分や、境遇が似ていますよね。
『源氏物語』の第三部の重要な登場人物である浮舟も、紫式部が自分を重ねたといわれています。
また紫の上は、紫式部自身の理想化だと考えられています(手塚昇『源氏物語の新研究』)。
登場人物のモデル探しも、『源氏物語』の楽しみ方の一つではないでしょうか。
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