庭作業やパソコン作業が多い人は注意!?【逆流性食道炎】そのサインと医師がすすめる予防のコツ
胸やけやげっぷ、みぞおちや胸の痛みなどの症状が出る「逆流性食道炎」。不快な症状は、食欲不振や睡眠障害など日常生活に影響が出ることも。気になる症状があれば、早めに内科や消化器科で受診しましょう。
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食道と胃の境目の筋肉の働きが弱り、胃酸が逆流
飲食物(主に胃酸)が逆流して食道の粘膜に炎症を起こし、さまざまな症状を引き起こす逆流性食道炎。
「食道と胃の境目は、飲食物が通るとき以外は括約筋という筋肉によって閉じられています。ところが加齢でその筋肉がゆるんだり、肥満などで胃が下から持ち上げられて食道部分にせり上がった状態になったりすると、胃酸が逆流してしまいます」
と、常喜医院院長の常喜眞理さん。消化液である胃酸は強い酸性だ。
「胃は粘膜で保護されていますが、食道の粘膜は胃酸を防ぐ機能が弱いので、炎症を起こしやすいのです」
逆流性食道炎の患者数は増えていて有病率は成人の10~20%といわれるが、長年、人間ドックでの診察にも関わってきた常喜さんは「50%くらいはいる感触があります」と言う。
「人間ドックなどで逆流性食道炎と診断され驚いて受診する人もいますが、珍しい病気ではありません。胃の内視鏡検査を受ける人が増えてきたため、診断数も増えているのでしょう。内視鏡検査を受ける人は中高年層が多いので、それも患者数が増えた理由の一つだと思います。年齢を重ねると顔にたるみやシワができるように、体の内側の筋肉もたるんできます。胃と食道の境目の筋肉もゆるみがちになるのです」
主な症状は、胸やけやげっぷ、みぞおちや胸の痛み、酸っぱいものや苦いものが口まで上がってくる(呑酸)などだが、胃もたれやのどの違和感、声がれを訴える人もいる。
「内視鏡検査で診断されても自覚症状がない人もいます。自覚症状がなく炎症も軽い状態であれば、多くは治療の必要がありません」
内視鏡検査を受けたことがなく、逆流性食道炎が疑われるような不快な症状が日常的にあるという人は、早めに内科や消化器科で受診したい。
「胃酸を抑える市販薬もありますが、2週間ほど試してみて改善されない場合は受診しましょう。他の病気の可能性もあります。
食道の炎症の有無、炎症の程度は内視鏡検査で確認します。ただ、1年以内に内視鏡検査を受けている人は、問診によって逆流性食道炎と診断し、内服薬による治療を始めながら様子を見る場合もあります」