【62歳リアルな家計簿】子どもへの仕送りが家計を圧迫!? 老後の安心と子どもの自立を叶えるには?
【アドバイス】今のままでは自分だけでなく、長女も二女も犠牲に。家族で話し合って、援助に期限を設けましょう
シングルマザーとして3つのパートをかけもちし、3人の子どもを育ててきたゆかりさん。今は会社勤めの長女と、アルバイトをしている二女との3人暮らし。「長女と二女が家にお金を入れてくれるようになって、ラクになりました」と、話す。
ただ、悩みは離れて暮らす三女のこと。「プロダンサーを目指しているのですが、仕事が少なく月10万円以上仕送りをしているんです」
その結果、貯蓄ができず、国民年金保険料も未納で、このままでは老後、貯蓄も年金もない生活に。「ずっと働いて何とかしたい」と言うが、「高齢になれば、いつか必ず働けなくなります。自分ばかりか、長女も二女も貯蓄ができず、三女の犠牲になっている現実を直視しなければ!」と、畠中さんは厳しく指摘。「三女と話し合い、援助の期限を決めて『あと1年は援助するけど、それで生活できないなら別の道を探して』などと伝えましょう。母親が覚悟を決めれば、子どもも変わります。今が決断のときです」
生涯安心して生活できる家計のコツを伝授!
任意加入で年金加入期間が10年以上になれば年金が受け取れる
国民年金を受給するには、保険料の納付期間が10年以上あることが条件。
「国民年金の加入期間は原則60歳までですが、年金の受給資格期間を満たしていない場合は最長70歳まで、未納期間があって満額の年金がもらえない場合は最長65歳まで、それぞれ任意で加入できます」。
ゆかりさんの場合、結婚していた9年間は第3号被保険者(会社員や公務員に扶養されている配偶者)として保険料の納付が免除されていたため、「あと1年納付すれば年金が受け取れます。今からでも任意加入し、国民年金保険料を納付しましょう。そうすれば将来年20万円の年金が受け取れます」。
【ポイント】
国民年金の加入期間を満たせば将来の年金が年約20万円に!
子どもに自立を促し、安心できる老後のために家族で話し合いの場を
このまま家計の問題を先送りにしていると、いずれゆかりさんが働けなくなったとき、家族全員が共倒れになりかねない。
「援助を受けている子どもは、『親には余裕がある』と思い込みがち。三女も、実家の家計が切羽詰まっているとは思っていないでしょう。一度家族全員で、このままでは無年金になること、老後資金もつくれないことを正直に話せば、三女もわかってくれるはずです。仕送りを減らした分は、貯蓄へ回して」
【ポイント】
親子共倒れになる前に、家族で状況を共有することが大切
病気などで働けなくなったときは、社会福祉協議会に相談を
体やお金の不安など幅広い分野の相談に乗ってくれる「社会福祉協議会(社協)」は、困ったときの強い味方。
「将来、病気などで働けなくなったり、経済的に困窮したりした場合、ぜひ足を運んで。無料で家計の相談にのってくれる他、生活福祉資金の貸し付け、生活保護の申請などその人に必要な支援と結びつけてくれます」。
地域によって活動内容に差があるので、今から地元の社協を一度チェックしておくのもいい。
【ポイント】
働けなくなったときを想定し、地元の社協を知っておくと◎
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畠中雅子さん監修。シンプルで家計簿の習慣がない人でもつけやすい構成です。続けていくとお金の流れがつかめるようになります。貯蓄額やローン残高もかんたん整理。日記代わりになるフリースペースや、日々の暮らしに役立つコラムも充実。老後資金に不安がある人におすすめです。
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イラスト/タナカユリ
※この記事は「ゆうゆう」2026年2月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
