元日テレアナウンサー石川牧子さん・76歳。3LDKから1LDKの老人ホームに住み替えるために実践した「終活的片づけ術」とは?
昔、高かったものも今や二束三文
ご存じのように着物の買い取りは、悲しいほど値がつかないことが多い。
「文化財級の着物でも二束三文になるので、ちょっとそれはあまりにも……」
そこで石川さんは、知り合いに目利きの業者を紹介してもらい、相応の値段で買い取ってもらうことができた。
着物以外にも、昔、大枚をはたいて買ったのに、今、まったく値がつかないものがある。
「今、引き取ってもらえないのは毛皮や革のコート。段ボール一箱5000円とかで東南アジアへ送るらしいです。革の靴も履かないでいると劣化するので、怖がってなかなか持って行ってもらえません。高かったのに……、と捨てるのも躊躇してしまい、困っています」
ライフステージが変わると、必要な服も変わる。
「ここに入居してからパンツにスニーカーというカジュアルな服装が多くなりました。スカートをはいていると皆さんから珍しがられるほど。そして、指輪などのアクセサリーをつける気持ちも失せました。つけないとなるとそれで済んでしまうんですよね」
宝飾類も近いうちに買い取り業者に引き取ってもらうことを考えている。
「整理しているくらいなので、このところ洋服は買っていません。でも、まだ着られる昔の服を着て街に出ると、『なんか私って古臭い』と感じるんです。だから、ある程度は新しい服を買うことも必要なんですよね。そのために、今、迷っているものもどんどん処分しないと」
「今持っている服を半分に減らす」のが目標だと言う。
写真は最期に必要なものがあればいい
もうひとつ「大変だった」と振り返るのは写真の整理。
「たくさんあったアルバムを3冊にしました。シュレッダーではなく一枚一枚手で写真をちぎって。思い出にふけっていると時間がいくらあっても足りないじゃないですか。それがわかっていたから『もういらない』と、あえて心を鬼にしてビリビリと。高齢になっての片づけですから、最期に必要な写真だけを残して、あとは処分しました」
仕事で会った有名人との写真など、貴重なものもたくさんあった。
「でも、自分にとって大事な写真でも、人にはそこまで思い入れはないんです。思い出に執着していたら何も捨てられません。これが最期に必要かどうかと俯瞰で見ることが大事。他人の目で見る終活です」
今、入居しているのは自立型の老人ホームだ。いずれ介護が必要になった場合は、近くにある同じ系列の介護型の老人ホームに移ることになるという。
「そちらには今あるもの全部は持っていけないので、いずれはそれも考えないと。もっと身軽にならないといけないんですよね」
石川さんの片づけはまだ続く。
自分らしく老いる覚悟。元祖女性アナウンス部長 私、老人ホームに入りました!
青娥書房
日本テレビのアナウンサーとして華やかなキャリアを積んだ石川牧子さんが、元気なうちに老人ホーム入居を選択したその理由と経緯をつづった手記。「高齢おひとりさまのためのお役立ち情報」も随所に掲載。
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