未納期間がある私、年金はいくらもらえる?老後の年金額を増やせる【任意加入】についてもプロが解説
自分がもらえる年金をチェックしましょう
ご質問者は、厚生年金に5年間とその後は扶養範囲内のパート勤務ですから、老後は老齢基礎年金と5年分の老齢厚生年金が受けとれます。実際に受けとれる見込額は、50歳以降は「ねんきん定期便」で確認できます。
「ねんきん定期便」は、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくるもの。ねんきん定期便を見ると、これまでの国民年金の納付状況や加入している年金の種類と納付期間、老後にもらえる年金の種類と見込額などがわかります。きちんと目を通して、老後のプランに役立てましょう。また、納付期間等にまちがいがあった場合は、年金事務所に届けて修正しておくと安心です。
ねんきん定期便に記載されている内容は、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、パソコンやスマホからもいつでも確認できます。
ねんきん定期便(50歳以上)のここをチェック!
A 照会番号
「ねんきんネット」で問い合わせるときに使う番号。
B 老齢年金の見込額
60歳まで現在の年金制度に加入した場合、受けとれる年金額。
C 国民年金納付状況
「納付済」「未納」「全額免除」「3/4免除」「付加年金」など
D 加入している年金の種類と納付期間、納付額
厚生年金、厚生年金基金などに、直近1年間で加入していた期間と納付した保険料合計。
E これまでの年金加入期間
それぞれの年金制度に加入していた期間の合計。
F 老齢年金お種類と見込額
加入している年金制度に60歳まで継続して加入した場合、65歳から受けとれる年金の見込額を制度別に記載。見込額が出ていない場合、受給期間の月数が10年(120ヵ月)に満たない可能性も。年金事務所に問い合わせよう。
5gatsu02.pdf (nenkin.go.jp)
※A~Fの該当箇所は、「ねんきん定期便」でご確認ください。
日本年金機構サイトから「令和5年度「ねんきん定期便」50歳以上の方」令和5年5月~
参考・前出『年金のきほん』
国民年金が満額に満たない場合、2つの方法でカバーできる
学生時代などに保険料の納付を忘れるなどの理由で、国民年金の未納期間がある場合、さかのぼって保険料を納めることができます。ただし、さかのぼれる期間は2年前まで。それを過ぎると納めることができません。
その場合は、60歳以降に、国民年金に任意加入して保険料をおさめることでカバーできます。納められる期間は、①保険料の未納期間があって満額の年金がもらえず、年金額を増やしたい場合は65歳まで、②年金の受給資格期間を満たしていない場合は、満たすまで(最長70歳まで)。
学生時代の未納期間が2年間なら、60歳~62歳まで任意加入して保険料を納めれば、65歳から老齢基礎年金を満額受けとることができます。
プロフィール
井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士、国民年金基金連合会理事。生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題が専門。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに、雑誌や新聞に連載を持つ。『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)など著書多数。
ホームページ:http://mie-ido.com
Twitter:@mieido
※この記事は2024年8月8日に文章構成を変更しました。
★あわせて読みたい★