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おひとりさまの身元保証、亡くなったあとのことはどう考える?井戸美枝さんがアドバイス

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更新日

横田頼子

「死後事務委任契約」を検討する

では、亡くなったあとのことはどうすればいいのでしょうか。

おひとりさまが亡くなって、遺族や相続人が見つからない場合、地方自治体が火葬や埋葬など、最低限のことは行ってくれます。ただし、通夜や告別式はない直葬で、埋葬も無縁仏として合祀されます。

通夜や告別式を実施したい、自分が選んだお墓に入りたいなどの希望があるなら、葬儀を行う人、火葬から埋葬まで立ち会う人を頼んでおく必要があります。

また、住んでいた住居や家具の整理・処分、死亡届の提出や年金受給の停止など、亡くなったあとには「死後事務」と呼ばれるたくさんの手続きがあり、誰かにそれを委任しておかなければなりません。

通常は家族や親族が行いますが、頼める親族がいない場合は、元気なうちに自分の希望を伝え、その希望を確実に実行してもらうために、「死後事務委任契約」を結んでおくのも一つの方法。

死後事務委任契約は、死後事務委任を専門に取り扱う弁護士や司法書士、また、入院や施設入居の際の身元保証を行う身元保証会社、関連するNPO法人などと結ぶことができます。

死後事務委任契約で依頼できるのは、次のようなことです。

 亡くなったあとの病院などからの遺体搬送
 葬儀、火葬や納骨の手配
 死亡届の提出
 水道・光熱費の停止
 年金受給の停止
 保険証などの返還などの手続き
 自宅の遺品整理。不要品の処分、自宅の売却
 ペットの処遇
 デジタル記録の消去 など

終末期の希望を明確にする

死後事務委任契約を結ぶ前に、まず、自分がどんな点でサポートを受けたいのか、よく考えてみましょう。

おすすめは、自分がどんな終末期を送りたいのかを整理すること。
具体的にどう考えていいかわからないという場合は、市販のエンディングノートを利用するといいでしょう。

エンディングノートとは、自分が何かあったとき、延命治療を望むかどうか、葬儀はどうするか、財産はどうしたいかなど、自分の希望を書いておくもの。おひとりさまにとっては、自分の最後の希望を離れて暮らす家族や親族に伝える唯一の手段でもあります。亡くなったあと、自分の希望を親族などに伝えたい場合は、エンディングノートの所在や保管場所を伝えておくと安心です。

エンディングノートの内容

●延命治療や臓器移植について
要介護や認知症になったとき、どこでどんな介護を受けたいか。急な病気で自分の意思が伝えられなくなったとき、延命治療を希望するか。脳死状態になったら、臓器移植を希望するか、など。

●葬儀やお墓について
亡くなったとき、葬儀を行ってほしいか、行ってほしい場合はどこで行うか。葬儀の連絡をしてほしい人はだれか、入りたいお墓はどこか、など。

●財産や相続について
取引先の金融機関や預貯金、株式、加入している生命保険、所有する不動産、貴金属、クレジットカードやローンなどの全財産をリスト化。遺産を誰にどう相続させたいか、など。

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