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50代で子どもはまだ中学生。教育費と老後資金はどう考えたらいい?井戸美枝さんがアドバイス

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更新日

横田頼子

子どもがまだ小さい、という50代の方も少なくないことでしょう。これから教育費がかかるのに、老後資金の準備までとてもできない……そんな悩みに、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんにアドバイスいただきます。

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【50歳Tさんの悩み】
結婚が遅かったため、子どもはまだ中学1年生。大学を卒業するのは、4歳年上の夫が63歳のときです。教育費がかかって、老後資金の準備ができないのではと心配です。

【井戸さんのアドバイス】
・教育資金を優先して準備しつつ、老後にも同時進行で備えましょう。
・これからかかる教育費を予想して、家計や貯蓄から出せる額を見積もりましょう。
・教育資金が不足しそうな場合は、奨学金も視野に。給付型→無利子→有利子の順に検討を。
・老後資金は、iDeCoでコツコツ有利に増やしましょう。
・70歳まで働ける体制を作り、年金の繰り下げ受給で年金を増やすのも効果的です。

教育費を優先して準備しつつ、老後資金にも備えよう

高齢で出産する女性は増加の一途を辿り、35歳以上で出産する女性の割合は1990年の1割未満から、2020年には3割に増えています。高齢出産で子育てをしながら仕事も続ける女性も増えていますが、一方で、退職後も子どもの教育費がかかる家庭も珍しくなくなりました。ご相談者のような悩みを持つ人は、これからも増えていくでしょう。

こうした場合、優先順位の1位は先に必要になる教育費ですが、同時に老後資金についてもできる範囲で準備していく必要があります。

課題を整理して、ひとつずつプランを立てていきましょう。

高校までは、できるだけ貯蓄を取り崩さない!

ご質問者のお子さんは現在中学生ですから、これから高校受験、大学受験に向けて、教育費はどんどん増えていく時期です。

中学は、公立なら学校でかかる費用は年間約17万円(月額約1万4000円)とそれほど多くはありません。ただ、一方で、塾通いをする子どもが増え、塾代や習い事など学校外教育費は年間約36万9000円(月額約3万1000円)に。

高校になると、義務教育の中学と違って教科書代などがかかるため、学校教育費は約30万9000円(月額約2万6000円)にアップ。大学受験が近づくと、塾代や受験費用などで出費はうなぎのぼりに増えていきます。

中学・高校時代の教育費はふだんの生活費からまかなうのが理想ですが、中学3年生、高校3年生の受験年は、不足する可能性があります。それぞれ塾代や受験費用を貯蓄から準備しておくと安心でしょう。

周囲のママ友などから情報を集め、今後かかりそうな塾代を予想して、ふだんの生活費から出せるかどうか、不足しそうならいくら準備しておくべきか、見積もってみてください。

公立中学でかかる教育費
学校教育費(給食代含む)約17万円
学校外教育費      約36万9000円
合計          約53万9000円

公立高校でかかる教育費
学校教育費       約30万9000円
学校外教育費      約20万4000円
合計          約51万3000円

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より
令和3年度子供の学習費調査の結果について (mext.go.jp)

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