頭痛、歯の痛み、気分の落ち込みは気象の変化が原因かも!?【気象病】のメカニズムとは?
自分に合ったリラックス法を見つけて自律神経を整えよう
気象病かも、と思ったら、何科を受診すればいいのだろう。
「かかりつけ医でもいいですが、症状がはっきりしているなら、その専門の科に。どこに行ったらいいか迷う場合は総合内科がいいと思います。検査をしても異常が見つからなかった患者さんが、気象の変化が原因とわかってほっとすることもあります」
症状が出たときの天気や気温、気圧、症状の内容、毎日の血圧などを記録して、受診の際に持参するのがおすすめ。気象病とわかったら、それぞれの症状に合わせた服薬などの治療とともに、予防として「自律神経を整えることが大事」と藤澤さん。
「自律神経は自分の意思ではコントロールできないのですが、現代人は交感神経が優位に働いていることが多いので、いかに交感神経をなだめるか、がコツですね。自律神経は気象の変化だけでなく、ストレスからも影響を受けるので、できるだけストレスを減らし、リラックスできる時間をつくることが大事です」
リラックスできる方法は人それぞれ。
「お風呂にゆっくりつかる、ヨガやアロマセラピーを取り入れる、心地よい音楽を聴くなど、いろいろ考えられますが、自分の心と体が喜ぶものを見つけましょう」
日々、患者さんと接している藤澤さんは、「いつもピリピリしている、つまり常に交感神経が活性化している人が多い」と感じるという。
「仕事のある平日は血圧が高く、週末になると下がる、という患者さんもいます。交感神経と副交感神経の働きの落差が大きいと、命に関わるリスクもあります」
交感神経優位の日が続いた後、一気にストレスから解放された休日の早朝など、副交感神経の働きで心臓の冠動脈スパズム(冠動脈の異常収縮)が起き、心筋梗塞を起こすケースがあるという。
「動脈硬化がなくても起きる心筋梗塞として注目されています。平日にも適度な休みを入れリラックスすることが大事です」
【ドクターから一言】
気象の変化により影響を受けやすい自律神経。
自分の心と体が喜ぶリラックス法を見つけて、自律神経のバランスを整えましょう。
※この記事は「ゆうゆう」2022年6月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
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Dr.孝志郎のクリニック 院長
藤澤孝志郎
ふじさわ・こうしろう●宮崎大学医学部卒業。総合内科専門医。医学教育の第一人者としても知られ、「サマライズ」など、その講座を受けて医師になった医学生は10万人以上。著書に『1日5秒 骨トレーニング!』『内科系専門医試験 解法へのアプローチ』など。
ふじさわ・こうしろう●宮崎大学医学部卒業。総合内科専門医。医学教育の第一人者としても知られ、「サマライズ」など、その講座を受けて医師になった医学生は10万人以上。著書に『1日5秒 骨トレーニング!』『内科系専門医試験 解法へのアプローチ』など。