91歳の料理研究家【小林まさるさん】の元気の秘訣とは?「“もう年だから” じゃダメ。年だからこそ前に進む!」
やると決めると三日坊主に。だから運動は「ついで」が一番!
日本盲導犬協会からボランティアで預かっている犬のヴァトンの散歩や食材の買い出しで歩く以外、特別な運動はしていない。
「俺は何事も、決めてしまうと絶対に守れなくて、三日坊主で終わっちゃうんだよね。そこで、どうしたらいいのかなと考えて、『ついでに何かをしよう』というやり方を思いつきました。体操をしようと決めると続かないから、毎日入るお風呂の中で、ついでに体操しようと。湯船の中で腕を伸ばしたり、肩を回したり、10分くらいの『ついでストレッチ』をやっています」
これは35歳頃から50年以上続けている健康習慣。
「昔、四十肩になったとき、普通にストレッチすると痛いわけさ。でも熱い風呂の中で動かすと全然痛くないんだよね。腰に違和感を覚えたら、風呂の中で体を温めてからマッサージ。それを4〜5日続けてやると治っちゃう。自分がいいと思ってやっているだけだから、効果のほどはわからないけどね」
お昼の散歩はまさるさん担当
お風呂でストレッチ
暇つぶしでいいから男も台所に立ってみれ!
就寝は21時、起床は7時。睡眠は毎日しっかり10時間とる。
「やっぱり寝る子は育つよ、年寄りでも(笑)。しっかり寝ると体力がつく。逆に夜ふかしすると、翌日とか2日後くらいにこたえるね」
年を重ねると眠りが浅くなる、早朝に目が覚めてしまう、なんて声も聞こえてくるが……。
「たぶん、『年をとったら眠れない』と決めつけないほうがいいのかも。だって俺、コーヒー飲んだってお茶飲んだってぐっすり眠れるもん(笑)。仕事でたくさん歩いてるということもあるかもしれないけれど、『眠れない』と思っていると神経もそう働くような気がする」
明るくパワフルで、何事もポジティブ思考。そんなまさるさんには、これから先の夢がある。
「男の料理教室をやりたい。定年退職した人や飲んべえを集めて、酒のつまみを教えながら料理して。それを肴にみんなで飲んで、昔のホラでも吹こうか、ってね」
年齢を重ねた男性の中には「男子厨房に入らず」と考える人も少なくないはずだが、まさるさんは「そんなのは、ちょんまげ時代の考えだよ」と笑い飛ばす。
「男は自分が料理したくないから、そういう屁理屈を言ったんじゃないかな。そんなこと言ってないで『まずは台所に立ってみれ!』と思うよ。なにも最初から料理しようなんて、難しいこと考えなくていい。たとえば豆腐1丁あるなら、かつお節をかけてしょうがをのせるのは普通。そこにちょっと工夫して、塩辛でものせて食ったらどう? 明太子とねぎを入れたらどうなる? そんなふうにやっていくうちに、だんだん面白くなるよ。これからの時代は、男も台所に立たなければいけないときが必ずくる。暇つぶしでもいいからやってみれば、それが実を結んでいくから。それが俺からのアドバイスだね」
小林まさるさんの元気習慣
①買い出しと散歩で日々ウォーキング
1日の平均歩数は6000~7000歩という健脚ぶり。「週に何度か、渋谷や表参道まで買い出しに行くと1万2000歩くらいになるよ」
②献立を考えて脳トレ
夕食は家にある食材をフル活用して。「いつもはしょうゆ味だけど今日はみそでやろうか。いろいろ考えながら、おかずを4〜5品作るよ」
③お風呂場で簡単ストレッチ
35歳頃から続けているのが、お風呂のついでのストレッチ。「お風呂で体を温めてから肩を回したりもんだりすると、治る気がするね」
※この記事は「ゆうゆう」2024年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/長野奈々子 取材・文/本木頼子
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