昨年退職した人、確定申告どうする?定年女子の目からウロコの驚愕体験【シニアのはじめて確定申告#1・申告する収入編】
個人の収入なんて申告しなくてもバレなくない? でもバレたらどうなるの? まさか逮捕!?
矢澤「たとえ個人で少額の申告でも税務署で発覚する可能性はありますよ。例えば、銀行の入金記録があるのに申告額が少ないと整合性がとれないので発覚する可能性が。故意にやったとか悪質なケースなら脱税となり、5年以下の懲役や罰金の対象になることもあるんです。今後はマイナンバーで発覚するケースも多くなりそうです」
——怖っっ! うっかりミスも許されませんか?
矢澤「うっかりミスでも追徴金は発生しますが、ご安心を。締め切り日から1カ月は猶予期間なので、今年だと3月18日から4月17日の間に修正が可能です」
——先生、ところで確定申告って、しない自由もあるんですか? 申告が必要な人が申告自体をしなかったら、お縄になるんでしょうか?
矢澤「お縄って……。すぐに逮捕はされませんが、発覚したら払うべき税金に無申告加算税や延滞税を加算して支払うことになります」
——じゃあするしかありませんね。確定申告をするのに用意するものはありますか?
矢澤「必要なものは下記です。
・勤務先から届いている源泉徴収票
・保険料の控除申請のハガキ。
・フリーランスで得た収入の支払調書
・申告する経費のエビデンス
などですね。経費については別途説明しましょう」
インボイスの登録はしてないけど、大丈夫?
——そうだ、まだ退職して間もないのでインボイス制度による登録をしてません。しなくても大丈夫ですか?
矢澤「フリーランスの方は前々年の収入が1千万円を超えていると登録は必須です」
——昨年前半は会社員だったので、フリーランスになってからそんなに収入ありません。ていうか、1千万なんて一生稼げなさそう(笑)。では登録しなくてOKですね」
矢澤「いえ、1千万円以下であっても登録はしたほうがよいですよ。未登録者に仕事を発注すると、企業にデメリットが生じるのです。インボイス未登録を理由に取引を停止することは独禁法上や下請法上問題はありますが、「仕入れ控除」という経過措置がなくなる令和11年以降は、正直不利益が生じる懸念はあります」
——なるほどです。それでは近々登録します。が、まずは確定申告完遂が喫緊の課題! 先生、次回は控除について教えてください。とにかく脱、じゃなかった節税! 1円でも支払い額を減らして、還付金もがっつりいただきたいです!
▼次回は、確定申告<その2>申告する控除編です▼
ご協力いただいた 矢澤理惠先生
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)マイアドバイザー所属
株式会社オフィスヤザワ 代表
ファイナンシャル・プランナーを目指したきっかけは「知らないと損をする」ことを自分で実感したため。祖父母の相続時に発生した「争続」、何の対策もしておらず2度も払った多額の相続税。その時に「前もって知っている大切さ」に気づき、知っていると得をする、幸せになることが世の中にたくさんあるとお知らせするべく、車を大事にしている方向けの個人相談、コラム執筆、ライフプランニング&資産運用のセミナーを3本柱としてとして活動中。
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