【シニア向け住宅】老後貧乏にならない住まいの選び方とは? FP畠中雅子さんがアドバイス[前編]
老後貧乏にならない住まいの選び方
施設を選ぶときに大事なのは、自分の資産の範囲内で無理なく暮らせる施設に入ること。入居時に前払い金として支払う「入居一時金」と「月々支払うお金」を併せて検討しよう。
STEP1 入居一時金と、月々いくら 支払えるか、額を試算する
入居一時金
70代で入居の場合······全額支払いプランで
85歳超で入居の場合······ゼロプランで
総資産の3分の1が支払いの目安
入居一時金は施設で大きく違うが、自分が払える目安はいくらだろう。畠中さんは「総資産の3分の1以内が入居一時金の目安」と言う。
「預貯金や不動産なども含めた総資産を洗い出して計算を。総資産3000万円なら、入居一時金は1000万以内が目安です。70代なら全額支払いを検討してみては」
現在は入居一時金を無料にする「ゼロプラン」もあるが、その分、月々の支払額が高額になる。「ゼロプランの場合、長生きするほど出費がかさみます。85歳以下は避けるべき」(畠中さん)
月々の支払額
国民年金+遺族厚生年金+1万〜2万円が、月々支払うお金の限度額
今、夫婦の人もおひとりさまとして考えよう
入居一時金を支払っても、月々一定の費用(居住費の一部、食費、介護費、雑費など)を支払う必要がある。
「月々の支払いは、できるだけ年金で賄いたいもの。それが厳しい場合は貯蓄を取り崩しますが、プラス1万~2万円が限度。今潤沢な貯蓄があっても、何歳まで生きるかはわかりません。95歳まで生きるのを目安に計算してほしいのですが、今は100歳までと考えるべき時代かもしれません」
年金額は、夫がまだ元気でも「ひとりになったとき」の額でシミュレーションを。
STEP2 自立時の入居が自分に向くかを検討
自分の入居できる価格帯がわかったら、どんどん施設見学をしてほしい。
「見学するうちに、自分が施設の暮らしに向いているか否かがわかります」と畠中さんは言う。「集団生活が始まるのですから、協調性は必須です。『自分は施設に向かない』と感じていても、いくつか見ているうちに『ここなら』と思えるかもしれません。自宅暮らしのメリット&デメリットと比較して検討しましょう」
早起きが苦手など、生活リズムが合わない場合などは、朝ご飯は頼まない、などのやり方もある。まずは施設見学をして、スタッフに質問してみよう。
※この記事は「ゆうゆう」2024年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
取材・文/神 素子
※データは、2024年1月末現在のものです。
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