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「相続財産がわからない!」万一の場合、最初にやるべきことは?井戸美枝先生がアドバイス

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横田頼子

「遺産分割協議書」を作成する

遺産分割の内容が合意したら、「遺産分割協議書」を作成します。これには、相続人全員の署名と押印(実印)が必要です。作成した協議書は、相続人各自が1部ずつ保管します。

遺産分割協議書は必ずしも作成しなくてもいいのですが、金融機関の預貯金や不動産などの名義変更をする場合、あった方が手続きがスムーズ。また、口頭だけだと相続人同士があとから「認めた」「認めない」などと言い出すこともよくあります。トラブルを避けるためにも、遺産分割協議書を作成しておいたほうがいいでしょう。

逆に、相続人が一人しかいない場合や遺言書の通りに分割する場合などは、協議書の作成は必要ありません。

遺産分割が終わったあとに、あらたな預貯金などの遺産が見つかると、相続人同士が再び話し合ってその分割方法を決めます。ただ、相続人の一人が財産の一部を隠していたり、「あらたなに出た遺産がわかっていたら、先に決めたような遺産分割はしなかった」という場合は、遺産分割そのものをやりなおすことに。もめる原因になるので、最初の遺産分割でできるだけすべての遺産を把握しておくことがたいせつです。

ワンポイント

預貯金や有価証券などを相続して名義変更する際には、遺産分割協議書(または遺言書)、亡くなった人の戸籍謄本・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明などが必要です。金融機関によって必要書類は異なるので、事前に問い合わせましょう。

また、戸籍謄本や除籍謄本、印鑑証明などは、役所で取るのに手数料がかかります。数が多いと費用もバカにならないので、書類を見せるだけでいいのか、コピーで代用できるかも、確認しておくといいでしょう。

相続税を支払うかどうかチェック!

相続では、遺産すべてに相続税がかかるわけではありません。相続財産には基礎控除があり、「3000万円+600万円×法定相続人の数」は非課税です。

たとえば、亡くなった人の相続人が配偶者と子ども2人の場合、相続する人の数は3人。3000万円+600万円×3=4800万円まで非課税になります。つまり、相続遺産が4800万円を超えていなければ相続税はかからず、申告も不要です。

逆に、4800万円を超えていたら、超えた分に相続税がかかります。相続税の申告をして、納税しなければなりません。相続税の申告と納付は、亡くなったことがわかってから(通常亡くなった日)から、10カ月以内です。

相続税の割合は、以下の通りです。
※国税庁「相続税の税率」より

相続税の計算は、法定相続分に従って相続したものとして計算。実際に相続した額で計算するわけではないので、注意が必要。

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