【PROFILE】
鶴田真由　●つるた・まゆ
1988年女優デビュー。その後、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活動。凛とした力強さとしなやかさを併せ持つ演技で注目される。また、自然体で飾らない姿と独自の視点からのコメントが支持を得て、旅番組、ドキュメンタリー番組への出演も多く、番組出演がきっかけで、2008年には第4回アフリカ開発会議（TICAD IV）の親善大使の委任を受けた。2021年2月より、メディアプラットフォーム「note」にてエッセイを執筆。
12月8日よりスタートの、江口洋介さん、蒔田彩珠さん出演の連続ドラマ「連続ドラマW　誰かがこの町で」（WOWOW）にも出演中。

セリフを覚えるのにいつもの３倍の時間がかかりました

――江口洋介さんの上司で弁護士役としての出演でしたが、撮影時のエピソードがあれば教えてください。

「説明ゼリフが多いので、セリフを覚えるのがとても大変でした。
もともとセリフ覚えが早い方ではないのですが、今回はいつも以上に苦労したので、『これはもしかして年のせい!?』と思いましたね。共演者のみなさんにも聞いたところ、一様に『大変だ』っておっしゃっていたので、『私だけじゃなかったんだ』とホッとしたのを覚えています（笑）」

――江口洋介さんも大変だとおっしゃっていましたか？

「そうおっしゃっていましたが、江口さんはとてもセリフ覚えが早いんですよ！　ものすごい集中力で覚える方で、これはちょっと特殊能力なんじゃないか、と思っていますね」

江口さんはとっても風通しのいい方です

――鶴田さんから見て主演の江口さんはどんな方ですか？

「すごく風通しがいい方ですね。何かにとらわれている感じがないといいますか。
同じ時代によくドラマに出ていましたが、意外と共演は少なかったです。昔『GOEMON』という映画でご一緒した以来ですね。ただその時の共演シーンは少なかったので、今回がほぼ初めましてのような感じでした」

――ドラマは「忖度」や「同調圧力」がテーマとなっており、登場人物たちの同調圧力によって恐ろしい結果を招いてしまいます。鶴田さん自身は、同調圧力を周りから感じた経験はありますか？

「そのような環境におかれること自体があまりなかった気がします。自分自身も周りに同調するタイプではなく、とてもマイペースなので（笑）。
俳優という職業も少し特殊ですからね。でも、もしそういった疑問を抱くような雰囲気を感じたら、あまり関わらないようにするかもしれません」

体力維持のためにも「1日8時間の睡眠」

――若い頃と比べて体力が低下したな、と思ったことはありますか？

「ありますね。先日海に行ったのですが、浜まで下りるのに大きな石をいくつか越えなくてはいけなくて。石から石へと飛び移るのに、若い頃のようにぴょんぴょんと飛び越えられない自分に気づきました。
次の石に移る前に一瞬躊躇したり……。若い頃のような瞬発力は減っているな、と」

――俳優業は生活も不規則だし睡眠不足にもなりそうです。睡眠に関するお悩みはありませんか？

「それが、睡眠に関する悩みはないんですよね。ありがたいことに今でも長い時間寝られますし、たくさん寝た方が体の調子もいいです。
毎日8時間睡眠が理想ですね。
俳優業の時はたしかに、睡眠不足になりがち。でも私はクイックチャージも得意なんです（笑）。
移動中の車内やちょっとした空き時間など、短時間でも寝ることで、体力をチャージしています」

騒がしい場所が苦手だから、買い物も30分以内！

――年齢を重ねて生活スタイルは変わってきましたか？

「もともとにぎやかなところより静かな環境が好きではあったのですが、最近はさらに静かな空間を好むようになりました。
例えば、自宅でもずっとテレビがついているとか、音楽が鳴っていることもあまりなくて、なるべく静かな空間に身をおいていたい。
買い物に行くのも同じ。
どうしてもにぎやかな場所に買い物に行かなくてはいけない時は、「30分で終わらせよう！」と決めてから出かけるようにしています」

【INFORMATION】 「連続ドラマW　誰かがこの町で」

撮影／三角茉由
スタイリスト／平井律子　
ヘアメイク／伏屋陽子(ESPER)　
取材・文／皆川知子

▼あわせて読みたい▼